わしのために争わないで〜
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年の挨拶を交わす。
「あ、あれから剣の鍛錬は積んでる?」
パンにありつこうとする響の肩を掴み、可奈美は尋ねた。
響の目に映る可奈美の眼は、キラキラと輝いているが、当人にとってはそんなことを気付く術はない。
「え? う、うん……」
「じゃあさじゃあさ! やろうよ! 立ち合い!」
「ふええええ!?」
「この前の響ちゃんの雷のアレ、本当に凄かった! 私も、あれと戦ってみたい! あの剣を受けて見たい! ねえねえ、色々メニューとか鍛錬のやり方とか教えたでしょ?」
「落ち着いて落ち着いて!」
響が声を上げる。
「その……あれから、私ベルセルクに変身出来なくなっちゃって……オーパーツはガングニールが取り込んでるから、多分変身そのものはできるはずなんだけどなあ……」
「そっかあ……」
可奈美はがっくりと肩を落とす。
先月起こった古代大陸の復活。その事件の際、渦中にいた響は、最終的にそのキーアイテムであるベルセルク、シノビ、ダイナソーのオーパーツをその身に取り込んだ。絶対的な力を手にしたが、その代償として、体をオーパーツに乗っ取られそうにもなったのだ。
「貴女も、ココアのお友達?」
と、真司との挨拶を終えたモカが響に話しかける。
響が自己紹介をすると、モカがにっこりとほほ笑んだ。
「ココアの姉のモカです。これ、お近づきの印にどうぞ」
「わああい! スコーン! いただきまーす!」
響が満面の笑顔でスコーンを食す。
そんな彼女を横目に、「実は」とモカが切り出した。
「ちなみにちなみにスコーン、一つだけマスタード入りがありま〜す」
「マスタード入り!?」
チノが青い顔をすると同時に、響の口が黄色い悲鳴を上げる。
「響ちゃんが当たった!」
「へいき……へっちゃら……!」
響はダウンしながらもサムズアップをした。
これから、この人のサプライズには注意しなければならない。
可奈美は全身でそう感じたのだった。
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