わしのために争わないで〜
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
みたい」
ハルトはそう言いながら、可奈美にスマホを渡す。受け取った液晶画面には、多田コウスケからのメッセージが表示されていた。
『今それ言うなよ! 俺今日大学あ
響行きます!』
「うわー、口調がいきなり変わってる」
「察するに、響ちゃんにスマホ盗られたんだろうね」
「つまり響ちゃんは来るんだね」
ハルトにスマホを返し、可奈美はモカへ視線を投げた。
年が近いのもあるのか、真司はモカに対してデレデレになっていた。そんな彼を見て、友奈が真司の腰を肘で小突いている。
「コホン……俺、城戸真司です。ジャーナリスト目指してます」
真司がわざとらしい咳払いをして、改めて自己紹介をする。
だが、最初の噛み噛みだった時の印象が強烈だったのか、モカが苦笑した。
「はい。よろしくね。真司さん」
「は、はい……!」
「真司、声上擦ってるぞ。……さてと」
ハルトが立ち上がる。
「ちょっと飲み物でも買ってくるよ。流石にこの量、飲み物なしだと辛いだろうし」
「あ、だったら私も」
「大丈夫だよ。コネクトがあるから、買ったものすぐに可奈美ちゃんのところに置いておくよ。リクエストとか聞かなくていいよね?」
ハルトの言葉に、可奈美はモカたちを見渡す。
真司はまだモカに照れており、真司から離れた友奈は、チノの隣に座っている。
「うん、大丈夫だと思う」
「それじゃあ、またあとで」
そういって、ハルトは芝生から去っていった。
彼を見送ったのち、可奈美は友奈の隣に来る。
「あ! 可奈美ちゃん! 天気もいいし、今日は絶好のピクニック日和だね!」
「うん! こんな日は、みんなでピクニックに限るよ!」
寒さなど感じないように、可奈美は友奈と頷きあった。そこに、
「それじゃあ、パン大食い大会はっじめるよ〜!」
「雰囲気が台無しだよ!」
ココアが元気な声で籠を持ち上げている。可奈美が悲鳴を上げたところで、、「実は」とモカがスコーンを取り出した。
「あれ? モカさん、スコーンも作ってきたの?」
「ええ。実はね……」
「こんにちわーッ!」
モカが何かを言おうとしたところに、元気な声が飛び込んできた。
見れば、元気な笑顔の少女がこちらに向かって走ってきていた。
活発な顔と、引き締まった体つき。女々しさなど感じさせない強い彼女こそ、さきほどスマホでハルトが連絡していた少女、立花響。
「立花響、到着しました!」
元気な敬礼を見せる響。彼女は籠のパンを見ると、顔を輝かせた。
「うわあああ! すごいすごい! こんなに沢山!?」
「響ちゃん、久しぶり!」
「うん! あけおめあけおめ!」
可奈美と響は互いに新
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ