第一章
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寒い時に来た猫
チェルシー=ドットソンはこの時自宅で仕事をしていた。
まだ朝で子供達も登校していない、だがその息子達がだ。
「お母さん、何かね」
「ドアを叩く音がするよ」
ミッキーもマイクも言った、二人共小学生で夫のジョージ譲りの黒髪と青い目でブロンドでグレーの目の彼女とはそこが違う。だが端正な顔の夫とは似ておらず穏やかな顔立ちの自分に顔立ちは似ていると思っている。
「何かな」
「ちょっと見てくるね」
「いいわ、あんた達は学校に行く支度をして」
チェルシーはこう子供達に言った。
「お母さんが行くわ」
「そうしてくれるんだ」
「それじゃあ」
「ええ、お母さんが出るわ」
こう言って家のドアを開くとだ。
「あら」
「ニャ〜〜〜」
そこにはチャトラの猫がいた、随分と毛が乱れていて痩せこけている。見るからに弱っている感じだ。
その猫を見てだ、チェルシーは子供達に言った。
「猫がいるわ」
「猫?」
「猫がなんだ」
「随分弱ってるみたいだから」
自分のところに来た彼等に話した。
「すぐにね」
「病院に連れて行くんだ」
「動物病院だね」
「お母さん動物保護のボランティアもしてるし」
「それでだね」
「そうするわ」
こう言ってだった。
チェルシーは子供達を学校に送り出すとすぐに猫を動物病院に連れて行った、するとこう言われたのだった。
「随分酷いですね」
「ボロボロと思ったら」
「はい、全身凍傷で蚤も沢山いて」
その猫を見つつだ、獣医はチェルシーに話した。
「傷だらけで虫歯もあって」
「満身創痍ですね」
「しかも糖尿病です」
「病気もありますか」
「ですが命に別状はないので」
「では」
「しっかりと治療すれば」
それでというのだ。
「大丈夫です、治療されますね」
「勿論です」
チェルシーの返事は決まっていた、それでだった。
猫の治療を受けてもらった、糖尿病は無理だったが蚤も凍傷も傷も虫歯も治してもらった。それが終わると。
チェルシーはその猫を家に迎え入れた、家族とも話したうえで。そしてその猫雄でアスランと名付けられた彼がだ。
「ニャ〜〜〜」
「ニャ〜〜〜」
家の先住猫である黒白の豊かな毛を持つ雄猫のクレオと仲良く遊んでいるのを見てだ、夫は妻に言った。
「話は聞いたけれど」
「猫がドアを叩いてね」
「助けを求めるなんて」
「面白いわね」
「全くだよ、それだけ大変だったんだね」
「満身創痍だったからね」
「そうだね、けれどうちに来てみたら」
夫はアスランを見つつ妻に話した。
「随分穏やかで人懐っこくて」
「いい子ね」
「うちに来てよかったよ」
「そうよね」
「ただ名前は」
夫は妻にこ
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