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9月の初めに、戻ることにしていた。合宿は、もう、出る気が無いので、顔を出す程度で、良いと思っていたが、特講とかもあるし、就活の情報も必要だ。民間も受けておかないと、と思っていた。大樹と帰る前に会ったが、来年の3月に結婚するから、絢と二人で出てくれと、言われていた。
「ねえ 帰る前に、どっかに泊ろー」
「えー そんな、金無いよー 今月は、いろいろ使ったしなー」
「ウチ 出すやん いつも、モトシ、出してくれてるから 食事なしやったら、そんな高ないやん なぁ ウチ 去年泊ったホテルが良い ウチ 予約するね ダブルやったら、安いやん」
「うーん 別に、ええけどー」
僕達は、昼過ぎ、神戸のホテルの近くでピザを食べていた。相変わらず、絢はおいしいと感激していた。
「茜って、お盆の間も神戸で泊ったんやって 違うホテルやけど 就活とか言って、出てきたみたい。もう、1年たったんやね あの子変わったよね 見て ホテルの横 大きな船 あれ、ナイトクルージングかなー あんな船の上でご飯食べても、気持ち悪くなんないのかなぁー」
「大きいから、そんなに揺れないと思うよ それより、せっかくの景色がもったいないよね」
「ねぇ 夕陽 ロープウェイ乗って、上から見ようよ」
僕達は、割と歩いた、夕陽目指して。上に登ると、丁度、沈む頃だった。
「去年来た時もね 羨ましいカップルが居てね みんなで、ワァワァ言ってたんだ。今日は、ウチ等やね」と、腕組んできた。
「ふたりで、こうやって、夕陽見てるって、幸せだよね 一晩中、一緒に居られるし」
「僕等の間も、変わった。でも、絢がそばに居てくれて良かった」
「ウチも モトシで良かった 大好き」
僕達は、暗くなるまで、そこに居た。帰り道、ラーメンにしょっかと、食べて、豚まんを買ってホテルに戻った。
「あっ 船 出て行ったんや なぁ ここの教会 すてきやんか 海の近くやし ええと思わへん」
「雨 降ってたら悲惨やでー」
「そーやけど あこがれるやん 女の子は夢見るんやで―」
僕が窓の外を見ていると、絢がお風呂から出てきた時、ホテルのバスローブだったが、側にくると脱いで 胸元には、いろんな色の花のレースで飾られていて、脚元の横にはスリツトが入っている。まだ、僕は、こういう姿を見るとドドキしてしまう。
「また、しばらくの間 出来ひんようになるし、思いっきり、してな」と、言って抱き着いてきた。
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