闇と闇の激突
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さらに、入れた手に力を込める。
中から出てきた、白い肌色。
それが腕だと分かったのは、そこから肩、顔の順番で、フェイカーから抜け出てきたから。
やがて、顔が完全にフェイカーから抜け出る。
桃色の髪の少女。完全に意識がない鹿目まどかは、そのままウィザードの体にのしかかってくる。
「よし……! まどかちゃんは、返してもらったよ!」
ウィザードはまどかを背負い、マシンウィンガーを飛ばす。
高層ビルの壁を駆け下りる魔法のバイクは、そのまま背後より狙い来る黒い雷を避けながら、一気に駆け下りる。
黒い鞭が、ウィザードを追いかけていく。
『ディフェンド』
ウィザードは即座に魔法を発動し、背中に防壁を張る。万一破られたとしてもまどかが無事になるように、彼女をフェイカーから見て後ろに回す。
「お返しだ!」
ウィザードはそのままウィザーソードガンを発砲。銀の銃弾たちは、黒い雷を掻い潜り、フェイカーの腕、肩に命中する。
それにより、フェイカーは攻撃の手を止める。十分に距離を引き離した後、ウィザードは地上に着地した。
「君はなんて邪魔をしてくれる……!」
フェイカーは自らの首筋を掻きむしる。
「まさかこんなに私の邪魔をしてくるとは思わなかったよ……ッ!」
「! やばい!」
フェイカーはウィザードを完全に敵とみなした。
彼の手から放たれる雷は、それまでの弄ぶようなものとは違う。明らかにウィザードの手足を狙い、動けなくなることを目的にしている。
ウィザードは背負ったまどかに被弾させないためにも、必死にハンドルを切る。
フェイカーの雷は、マシンウィンガーを狙っていく。黒い雷が、コンクリートジャングルをどんどん破壊していく。
その時。
「何だ……?」
その気配に、ウィザードはマシンウィンガーを停める。同時に雷の雨も収まり、周囲は静けさを保っていた。
そして、見上げる。フェイカーが相変わらず滞空しているが、彼もまた、その異様な気配に動きを止めていた。
その気配の正体。それは。
「咎人達に、絶滅の炎を」
キャスター。
彼女は、両手を前に突き出し、術式を展開していた。やがて、彼女の本もまた、赤く発光するページが開かれる。彼女の足元と頭上に、深紅の魔法陣が生成された。周囲の気温が上昇し、冬の天気を熱くしていく。
「炎よ集え、全てを撃ち抜く炎となれ」
「あれは……あの力は……!?」
その力に見覚えのあるウィザードは、体がすくんだ。
ウィザードの口からは、思わずその力の名前が出てきた。
「オーパーツ……ムーの力……ッ!」
そして。
「貫け。熱線」
彼女の魔法陣が、猛る恐竜の顔面となる。
古代
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