暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSUR8其は戦天使にして堕天使の頂点なる者〜Guardianbellg〜
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無事な右手であの子の右足首を掴み取り、グッとその場に留まることに成功。そして落下している「グングニル!」を呼び戻すが、手元に戻ってくるより先に、あの子の左手に“ユルソーン”が戻って来た。

「マジで殺しに行くからな、父さん!」

「上等だ!」

キャッチした“ユルソーン”を振り下ろしてきたが、俺の脳天に打ち込まれる直前に足元からすっ飛んで来た“グングニル”がそれを迎撃。左腕が真上に弾かれたことでがら空きになったガーデンベルグの左脇腹に、シエルの重力術式の1つである重力を拳に纏う「フェアリー・バイト!」を打ち込んだ。

「おぐっ!?」

「もう1発ぅ!!」

再生されたばかりの左手にも重力を纏わせ、ガーデンベルグの顔面に打ち下ろしの一撃をお見舞いしてやる。全力で振り抜いて、あの子を地上へ向けて殴り飛ばした。側に待機していた“グングニル”を左手で取り、地面に激突したあの子へと突進術式「コード・グナー!」で突撃する。

「いてて・・・」

「おらああああああああああああああああ!!」

「っと! あぶねぇ!」

自分を埋めていた岩石などを退かし終えていたガーデンベルグは、俺の突撃から逃れるために地を蹴ってゴロゴロと転がって離脱。突き出していた“グングニル”があの子がたった今いたところを穿ち、大きなクレーターを造り出した。

――凍波・斬烈閃――

複数の氷結の魔力刃が飛来したが、“グングニル”を高速回転させて盾とすることで防御する。ガーデンベルグはその間に俺の背後へと回り込み、「影夜・斬烈閃!」と“ユルソーン”を振るってきた。その一撃を再具現化した“グングニル”レプリカ1本を盾として防ぎ、振り向きざまに左手に持つオリジナルの“グングニル”を振り払い、“ユルソーン”に一撃を入れた。

「「『っ!』」」

ハッキリと聞こえたバキン!という破砕音。“ユルソーン”の半ば辺りにしっかりと視認できるほどのヒビが入った。俺は「目覚めよ! 神槍グングニル!」と叫び、その場でくるっと一回転して遠心力を上乗せた上で投擲した。完全解放された“グングニル”は光のごとき速さで“ユルソーン”目掛けて飛び、激突した。

『ユルソーンが・・・!』

「砕けた・・・!?」

「〜〜〜〜〜〜〜っ!!『アイリ!』」

『ヤヴォール!』

“ユルソーン”が破壊された。この瞬間、アースガルドにてフェンリルに封印されている俺の本体は不死と不治の呪いから解放され、同時に“テスタメント”で在り続ける契約も完了したことを告げた。鼻の奥がツンとなり、目頭が熱くなる。今すぐ泣き叫びたいほどのいろいろな感情が渦巻く。

(今は感情に流される時じゃない! きっちりガーデンベルグを救い、旅路を終わらせる!)

手元に戻した“グングニル”の柄
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