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Fate/WizarDragonknight
誘拐されたまどか
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に持った黒い雷は、周囲のアスファルト、建物を次々と破壊していく。
 その中、フェイカーと至近距離のほむらは、雷鳴の奥で声なき悲鳴を上げていた。

「ほむらちゃん!」

 巻き込まれ、多少のダメージを受けながらも、ウィザードはほむらを助けようと急ぐ。
 だが、それを見たフェイカーは鼻を鳴らした。

「ほら、返してあげるよ」

 フェイカーはそう言いながら、ウィザードへほむらを投げつける。
 スラッシュストライクを放とうとしたウィザードは、慌ててプロセスを中断、ほむらの体を全身で受け止める。

「大丈夫? ほむらちゃん?」

 だが、虫の息のほむらに反応はない。ほとんどゼロ距離で雷を浴びたほむらは、呻き声だけで、立ち上がることさえ出来ずにいた。
 同時にそれは、フェイカーにとって、攻撃のチャンスでもあった。
 両手に膨大な黒い雷を宿らせながら、彼の双眸が輝く。
 放たれた雷撃。ウィザードは思わず、ほむらの盾になるようにフェイカーへ背を向ける。
 だが、雷撃の音とは裏腹に、いつまでたっても痛みはなかった。

「ライダーのマスター!」

 その声に、ウィザードは顔をあげる。
 ウィザードを守るように立ち塞ぐ、黒。その上にかぶさる銀の髪は、見る者の息を奪う美しさがあった。

「へえ……また君か……キャスター」

 フェイカーが言った、その人物。
 最強のサーヴァント、キャスターが、漆黒の魔法陣で雷を防いでいたのだった。
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