暁 〜小説投稿サイト〜
異生神妖魔学園
出雲紺子の過去
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た!今まで我慢してましたが、もうこれが限界なんです!」

辰廻「限界…?よろしい、ならば楽にしてくれる!我が力を見せてくれる!間もなくお前の肉と血は我が身体の一部となり、我が妖力はさらに底上げされる!お前がしでかした不孝を地獄で詫びるがよい!!」


妖狐は短刀の刃先を向ける間もなく辰廻に口を押さえられる。不気味に光る骸喰の刃先が妖狐の喉仏に当てられた。


妖狐「っ………!!」


もはやここまでか。そう思っていた妖狐だが、短刀を手にして正解だった。気づかれないよう着物から抜き取り、辰廻の首筋に突き刺そうとしたその瞬間。


辰廻「!?」


突然辰廻が骸喰を落としたかと思うと、そのまま頭を押さえながらしゃがみ込んだ。


辰廻「おのれ……こんな時に急に頭痛が起こるとは………!」


辰廻は冷や汗を流しながら歯を食い縛り、頭を押さえながら落とした骸喰に手を伸ばそうとした。


辰廻「力の底上げのツケか…!?なんとなくわかっていたが、私が長年続けてきたことは……全て……命…に………だが……まだ………死ぬわけ……には……」


言葉が終わらないまま背後から短刀が刺され、刃は心臓に到達していた。黒い着物が血に染まったのは妖狐にははっきり見え、刺された辰廻も口から血を吹き出した。


妖狐「ご主人様………死んでください」

辰廻「………!?」


骸喰がいつの間にか妖狐の手に渡っていた。
バカな。考える間もなく辰廻の首は畳の上を転がった。胴体も崩れ落ちるように倒れて動かなくなり、それぞれ血溜まりを作っていく。


妖狐「……………………」


血溜まりができていく様子を見る妖狐は飽き足らず、骸喰を力強く握りしめると、辰廻の頭を一刀両断にした。
妖狐は骸喰をその場に投げ捨てると、屋敷の庭の隅にある物置小屋へ入る。
しばらくしてから屋敷に入り、持ってきた油らしき液体を屋敷中にまいた。もちろん庭にもまかれた。そして辰廻の遺体にも………。
やがて燃え上がる屋敷が夜の闇を照らす。妖狐はそれをしばらく見つめると、燃える屋敷を背後に涙を流しながら去っていった。










その話を聞いていた龍華と竜奈は気の毒そうな表情をしていた。


龍華「お前……相当苦労をしてたってのか……」

紺子「……ああ。辛かったよ。特にあの陰陽師の実験台にされたことは……………」

竜奈「だが、その『出雲紺子』という名は誰がつけたんだ?」

紺子「………そうだな」










妖狐が陰陽師を殺し、屋敷を放火させてから長い年月が過ぎた。
時は明治時代中期。不老不死の呪薬を舐めて以降、妖狐は本当に老いることも死ぬこともなかった。むし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ