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異生神妖魔学園
出雲紺子の過去
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お前には私の式になってもらうぞ」

子狐(嫌だ!お母ちゃんのところに帰るの!出して!)


屋敷では籠に入れられた子狐が嫌がって暴れていた。さらに白い右目と黒い左目の視線が刺さり、よけいに怖がる。


子狐(狭いよ…怖いよ!誰か助けて!お母ちゃん!お母ちゃん!)


だが母狐は先ほど雷に打たれて死んだ。もし生きていたとしても間違いなく辰廻に殺され、その肉と血は彼の腹の足しと力の向上となっているだろう。


辰廻「さて……まずは妖力を向上させ、しゃべれるようにさせなければ」

子狐(あっ、ああ…いや、いや、いやいやいやいやいやああぁぁぁあああ!!)





やがて月日は流れ、成長した妖狐は人間の少女の姿を象っていた。面影として狐だった頃の耳と尻尾が生え、そして死んだ母親のことをまだ考えていた。
ところがそんな妖狐にとって最大の転機、妖狐を拾った辰廻に悲劇が訪れるとは双方とも考えてもいなかった。





辰廻「小娘……檻から出て何をしている?」


その日の夜だった。遡ること数分前、辰廻がある用事で屋敷を空けていた時のこと。すっかり大きくなった妖狐はある部屋の中の檻に入れられていた。
辰廻は逃げられないようにいつも鍵をかけていたのだが、その日は着物の中にしまい込んだつもりが畳の上に落としてしまった。辰廻はそれに気づかず屋敷を空けた。
しかもすぐ手が届くに落ちていたため、妖狐にとっては二度と訪れることのない転機だ。辰廻が屋敷から出たのを見計らい、すぐさま鍵に手を伸ばす。
錠は海老錠だったが、辰廻が開閉させているのを何度も見ているうちに覚えてしまったのだ。鍵を穴に差し込んでバネを閉じ、牡金具を引き抜くと、檻が開いた。


妖狐(あっ、開いた!これでやっと出れる…!)


しかし、バレればどんな仕置きを受けるかわからない。机にあった短刀を着物の中に隠し、屋敷から逃げようとしたが、ふとあるものが目に留まる。
厨子棚にいろいろな薬が置かれているが、その中のひとつを手にすると、ふたを開け、一舐めしてみた。
そして今に至り、鍵を落としたのを思い出して戻ってきた辰廻が鬼のような形相をしていた。


辰廻「檻から出たのをいいことに、しかも禁断の呪薬『不老不死の呪薬』を舐めるとはいい度胸をしているな……?」

妖狐「もうあなたに振り回されるのはたくさんなんです!私をここから出してください!」

辰廻「寝言は寝てから言え!!誰がお前を拾ったと思っている!?あの不老不死の呪薬を完成させるのにどれだけ苦労したと思っている!?お前は母狐が死んで泣いているところを私が拾ってやったのに、貴様はそれを仇で返すつもりか!!」

妖狐「だって……だって!ずっとずっと同じような妖術を私にかけてき
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