鬼灯冷火は動かない:黄泉への13階段
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越す気などさらさらなかった。
冷火があの話を忘れかけた頃の13日目、彼女のスマホに電話がかかってきた。
相手はあの担当だった。あの話を思い出して電話に出ると、あり得ないことが起こったと言う。
担当『いつもゴトンゴトンッて鳴ってたのに、夕べは明らかに大人数かもしれないのが階段をドドドドドッ!て上ったり下りたり、ドアをドーンドーン!って叩かれたんです…』
冷火「だから言ったじゃないですか!絶対やめた方がいいって!(バカが!なーにがネタになるだ!こんなギリギリまで黙りやがって!)」
担当『僕もう決めました。2週間経つ前に今日引っ越しの準備して出ていきますんで手伝ってくれますか?』
冷火(朝からなんて迷惑な奴だ…)
その日、冷火は学校を休み、担当の引っ越しを手伝うことに。
行く途中神社で魔除けのお守りを2つ買い、彼のアパートに着くと、暗くなる前にすぐに引っ越しの準備を始めた。
ところがかなり手間取っているせいか、荷造りはなかなか終わらず、とうとうアパートの周りは闇に包まれてしまった。
時刻は9時、それは起こったのだった。
冷火「もうすっかり暗くなっちゃって……明日も学校あるのに」
担当「ホントすいません。でももう少しなんで頑張りましょう」
その瞬間、部屋が何も見えないほど暗くなり、冷火たちは闇に飲まれた。
冷火「おい、どういうことなんだよ!こんな時にブレーカー落ちるなんて!」
目が慣れるまでしばらく時間がかかる。
転倒したりぶつかったりしたら大変だと思った冷火は手探りで壁を伝い、ブレーカーを探すことに。
冷火「どこにあんだよ、ブレーカーはよ!」
人の家なのでなかなか見つからない。ところが急に担当のうめき声が聞こえてきた。
担当「うぅっ!ガッハァァア……!」
冷火「ちょっと!?どうしたんですかこんな時に!」
うめき声は聞こえるが、辺りは闇に包まれているので何が起きているかわからない。
ところが、冷火の目が次第に闇に慣れてくると………そこでとんでもないものを見た。
担当「あ゛っ………あ゛ぁあっ………」
なんと担当が床に倒れ、苦しそうにもがいているではないか。
霊のしわざか?放っておけば命取りになりかねない。急いでブレーカーを探す冷火。玄関も探してみたが、窓から漏れる光のおかげで簡単に見つけることができた。
部屋全体が明るくなり、すぐに救急車を呼び、彼は病院へ搬送された。
担当は一命を取り止めたが、あの時苦しんだ理由があり得なかった。
冷火がアパートに行く途中買った魔除けのお守り。そのうちひとつを担当に与えたのだが、そのお守りが彼の喉に詰まって
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