1学期
教室間違えるってのはよくあることさ
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なよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよチャイム鳴るなよ〜〜!!」
オウムのように「チャイム鳴るなよ」を繰り返し、校門へまっしぐら。紺子は血走った目をしながら校門を風のようにくぐり抜けた。
ガォンッ!!
ちょうど同じ頃、校門の前に警備員らしき男がいたのだが、紺子の風圧を受けて壁に押しつけられたところだった。
???「やれやれ、またあいつか…もう声でわかったわ。今日も服装乱れてやがる…また反省文書かれるんだろうなぁ、出雲」
いや、男の服装は警備員とは言いがたい服装だった。
買い替えた方がいいんじゃないかと言われるくらいあまりにもボロボロな黒いローブを身に纏い、顔が見えるか見えないかぐらいの辺りまでフードを深く被っている。
その姿からして、まさに死神だ。
死神?「まっ、警備員の俺には関係ないがな」
紺子「うおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!」
校舎に紺子の雄叫びが響き渡り、全力で走り、全力で自分の教室を探し、全力で見つけ、全力で入り、全力で席に着いた。
紺子「ゼェ……ゼェ……ヒュー……ヒュー……」
???「紺子ちゃ〜んあなたもう2年でしょ〜」
紺子「あぁ?ゼェ…何だよお前…………」
荒い息遣いをしながら見ると、黒髪黒目で背の小さい少女が入ってきた。
???「春休みだったから忘れてるのも無理ないよね〜。クラス札見ればすぐにわかるよ〜」
紺子「めんどくせぇな…何が起きてんだ?じゃねぇや、どうなってんだ?」
紺子がだるそうに教室のクラス札を見ると、そこにはこうあった。
【1年教室】
紺子「………………………」
紺子は無言で教室とクラス札をしばらく見合わせるが、何かおかしいことに気づいた。
そういえばここの教室空っぽだよな?でも今日は確かに入学式。新しい生徒が入ってきて………………。
紺子「ん?新しい生徒?」
ふと黒板を見ると、1枚の張り紙があった。その張り紙を見ると、なんと。
紺子「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーっっ!!!私の名前がねぇーっ!!クラスの名前もねぇーっ!!」
???「もう遅いよ〜あと30秒でチャイム鳴るよ〜それじゃお先に〜」
紺子「何でもっと早く気づかなかったんだよ〜!ダメだ終わった!初日から遅刻確定!反省文確定!!」
少女はすでに去っており、紺子は半ベソをかきながらカバンを持つと、滑って転びそうになりながらも2年教室まで全力で走っていった。
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