暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
困った恋愛脳
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がぐるぐると揺れながら、ハルトは彼女の手を振り払う。

「親戚のおばさんですかアンタは。ないですって。そもそも俺は……」

 そこまで言いかけたところで、ハルトは口を閉じる。

「ハル君?」
「いや、何でもないです」

 公園がある通りを抜け、見滝原中央駅にたどり着く。ここから西に向かっていけば、ラビットハウスがある木組みの街に着く。
 その時。

「……!」
「きゃっ!」

 ハルトはブレーキをかける。
 路肩に停車したそれは、予備動作もなかったため、モカが小さな悲鳴を上げていた。

「も、もう……ハル君。急ブレーキは危ないよ」

 ハルトの耳には、モカの苦言は入っていなかった。
 ヘルメットを外したハルトは、道を歩く女子中学生へ声をかけていた。

「ほむらちゃん!」

 その声に、少女は足を止める。長い黒髪を靡かせながら、ゆっくりとハルトを振り返る。
 暁美(あけみ)ほむら。ハルトとは少なくない因縁を持つ、聖杯戦争の参加者の一人。
 これまでほとんどポーカーフェイスをハルトに見せてきた彼女だったが、ハルトの姿を見るなり、目を大きく見開いた。

「松菜ハルト!」

 魔法少女としての姿もあるのに、生身のほむらがハルトの肩を掴む瞬間を、視認することができなかった。

「フェイカーを見なかった!?」
「え!?」

 彼女の口から、先ほどハルトが戦ったばかりのサーヴァントの名前を口にした。
 だが、それはもう何時間も前の話。
 ハルトは頷く。
 すると、ほむらは更に詰め寄った。

「どこで!? いつ!?」
「十一時くらいに……見滝原公園で」
「十一時……」

 その時刻を知った瞬間、ほむらの顔が歪む。

「あれ? もしかして、本命はこの子?」
「違います!」

 おちょくってくるモカを制しながら、ハルトは改めてモカの質問に答える。

「十一時だよ」
「私よりも早い……!」

 ほむらは唇を噛んだ。
 その只ならぬ雰囲気に、ハルトは尋ねた。

「何かあったの?」
「貴方には関係ないわ」

 ほむらは唇を噛みながら、走り去ろうとする。
 ハルトは彼女を追いかけようとするが、あの体のどこにそんな力があるのかと聞きたくなる勢いで、彼女の姿は見えなくなっていった。

「何なんだ一体……?」

 ハルトはそう言いながら、モカに振り替える。

「ごめんなさい、モカさん。少し急用ができたみたい。えっと、帰り方分かります?」
「分かるけど……どうしたのハル君。なんか、怖い顔してるよ?」

 モカの言葉に、ハルトは努めて表情を作る。咳払いをした後、改めてほむらの姿を見る。

「あの子、ちょっとした知り合いで……さっきの話は、ちょっと俺に
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