暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第88話:希望への進展
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より寝不足とストレスで覇気が無かったというのに、それが無かったかのように元気を取り戻していた。

 何となくだが、奏の身に何かが起きている。そう感じさせるのに十分なほど奏は変化が著しかった。

 気になっている事、自分1人ではどうにもできない事を全て吐き出し終え、翼は力無く座り直した。
 それと同時に、運ばれた全ての料理を平らげた透が紙ナプキンで口元を拭いコップの水を一気に飲み干す。

「……呼び出したのは、一度一緒に飯が食いたかっただけだ」

 翼が落ち着いたのを見計らい、クリスは呼び出した理由を話した。

「腹を割って話し合うのも悪くないと思ってな。あたしら何時からこうなんだ? 目的は同じの筈なのに、てんでバラバラになっちまってる。もっと連携を取り合って――――」

 至極尤もな事を話すクリスだったが、その時出し抜けに横から透が手を伸ばしクリスの口周りをナプキンで拭いた。いい加減見ていられなくなったのだろう。

「わっぷ!? んだよ透! 今あたし結構良い事言ってるところだったんだぞ!」

 突然の透の行動に文句を言うクリスだったが、そんな彼女に透が優しい目を向ける。それだけでクリスには彼が何を言いたいのか分かってしまった。

「え? 腹を割って話すなら名前で呼べって?」
「北上…………そうだな。いい加減名前くらい呼んでもらいたいものだ」
「なぁっ!?」

 透の言葉を代弁したクリスに翼が便乗する。奇しくもこの時クリスは窓際の席に座っており、横は透に前は翼に占拠されており逃げ場がない。2人からの視線にクリスは逆に居た堪れなくなってしまった。

 縮こまったクリスに代わる様に、透はメモ帳を取り出すとペンを走らせ書いた文字を翼に見せた。

「ん? 『ごめんなさい』?……何が?」

 唐突な謝罪に、翼は目をパチクリとさせた。その疑問に答える為、透は再びメモ帳に文字を書き込む。

〔最初に会った時から色々と。皆さんには迷惑を掛けてきて、それを今までちゃんと謝った事がなかったので〕

 それは透の言葉であると同時にクリスの言葉でもあった。今まで色々とあった所為でなぁなぁで済ませていた謝罪を、今この場で打ち明けたかったのだ。だがいざ翼を前にすると、相手が年上だからかどうにもうまく言葉が口から出てこない。透はそんなクリスの内情を読み取り、先手を打って自分から謝罪したのだ。

 透の謝罪にクリスも翼と彼を交互に見ていると、透がクリスに優しい目を向けて首を傾げる。それはクリスに対し、もう大丈夫と、一歩を踏み出してみてと背中を押しているように見えた。

「えっと、その……悪かったよ。色々と……」
「……もう過ぎた事だ」
「そ、それじゃああたしの気持ちが収まらねぇ!」
「ならばその謝罪、確かに受け取
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