暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第88話:希望への進展
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……君なの――?」
***
同じ頃、とあるレストランにてクリスと透、そして翼の3人が席を共にしていた。クリスは目の前に置かれたナポリタンを、口や皿の周りを汚しながら食べている。
「何か食えよ。奢るぞ?」
レストランに入りながら何も注文しない翼に、クリスが口の周りを汚しながら問い掛けた。正直他人の事より自分の食事のマナーの方を気にして欲しい翼は、何とも言えない顔をせずにはいられない。
「夜の九時以降は食事を控えている…………と言うのは表向きで――――」
徐に翼がクリスの隣に目を向けた。そこには当然の様に透が居て、クリスと同じく注文した料理を食べているのだが――――
「……正直、これを見たらこっちの食欲も失せると言うものだ」
「んまぁ……言いたい事は分かるよ?」
透の前……と言うかテーブルの空いたスペースには所狭しと料理が並んでいた。ナポリタンはクリスが自分で注文した料理だが、それ以外の料理は全て透が自分で頼んだものだ。
店のメニューを端から全部制覇しようとしているのかと思うほどの有様。透はステーキを口に含み、咀嚼しながらフライドポテトに手を伸ばし、チャーハンをかき込んだと思ったら次の瞬間にはローストチキンを噛み締める。
一体この体のどこにこんなに入るのかと言いたくなる様子に、翼だけでなくクリスも乾いた笑いを上げずにはいられなかった。
「あ、あはは……」
「魔法使いが良く食べると言うのは颯人さんで知ってはいたが、今日そんなに魔力を使うような事が?」
「いや、透はそう言うのに関係なく食べる時は矢鱈食べるぞ?」
今度こそ翼は開いた口が塞がらなくなった。つまり透は素で大食漢と言う事だ。見るとあれ程の料理がもう半分ほど無くなっており、今はグラタンを黙々と口に運んでいる。
不意に透の視線が2人の方に向かう。彼は何故自分がそこまで注目されているのか分からず首を傾げていた。
「……それで? 本当に一体何の用なんだ?」
用が無いなら帰ると席を立とうとする翼に、クリスはそっと問い掛けた。
「あ〜……起こってるのか?」
「愉快でいられる道理が無い」
言いたい事は分かる。ここ最近は本当に問題が山積みだ。F.I.Sの事は勿論、響の事も…………奏の事もである。
スカイタワーの戦闘の際、奏は気を失った状態で発見された。未来の行方が分からなくなり、動ける者全員で捜そうと言う時に同じく連絡が取れなくなっていた彼女を颯人が見つけたのだ。
当初は魔法使いにでもやられたのかと思っていたが、目を覚ました奏は何も覚えていなかった。
それだけならいいのだが、目を覚ました奏はそれまでの不調が嘘の様に溌溂としていたのである。つい最近まで悪夢に
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