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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン40 幕開け、あるいは幕引き
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く、彼はこう思っているのだ。この一撃だけでは、あの若いののライフは削り切れないと。九分九厘勝利を掴んだような状況に持っていきながらも最後まで油断のない、優れた狩人に特有な神経質なまでの用心。そしてそれこそが、彼に伝説の……『グランドファザー』の名をほしいままにしてきたのだろう。
 だがしかし、鳥居浄瑠にも意地がある。それはデュエルポリスとしてのものでもあり、いちエンタメデュエリストとしてのものでもある。そして何より、彼は仕事は碌にしないわこちらの言うことは聞かないわ、そのくせ独断専行ばかり繰り返す腐れ縁の……しかしパートナーである上司から、この場を託されたのだ。用心に用心を重ねられたからと言って、はいそうですかとそのまま押し切られるわけにはいかなかった。

「『圧倒的な物量を持って正義の鉄槌を下さんとばかりに押し寄せる英雄たち、対する魔界劇団は大宇宙を前に壊滅状態。ですが、しかし!この我らが劇座開幕以来の大ピンチに、思わぬ援軍が現れました!大スペクタクルサーカス団、EM(エンタメイト)よりお越しいただいた頼れる小さな援軍の名を、今こそここにご紹介いたしましょう!』」

 言いながら、彼の手元に残った貴重なリソースである手札1枚をデュエルディスクに置く。その場に召喚されたモンスターの名を、一拍置いて高らかに宣言した。

「『まあるい小さな帽子屋さん、EMクリボーダー!彼は相手モンスターの直接攻撃宣言時、その身を戦場へと躍らせます!そしてその攻撃モンスターと自身とで、強制的にバトルを行わせるのです!』」

 E・HERO ブレイヴ・ネオス 攻5200→EMクリボーダー 攻300(破壊)
 鳥居 LP4500→9400

「『じゃーん!どうです、これこそがクリボーダー最後の特殊能力!彼が自身の効果によって行った先頭によって発生するダメージは、なんとそのすべてが私のライフとして回復に置き換わるのです!ピンチを転じてチャンスと成す、これで私のライフポイントは、なんと1万の大台すらも見えてくるほどになりました!』」
「ならばこちらもブレイヴ・ネオスの……そしてフェイバリット・ヒーローのもう1つの効果を発動!まずブレイヴ・ネオスが戦闘でモンスターを破壊したことで、デッキからネオスの名が記されたカード1枚を手札に加える。そうさね、どうせ今すぐ使いたいようなものはない、ネオス・フュージョンでも持ってきておこうかね。そしてフェイバリット・ヒーローを装備したモンスターがモンスターを戦闘破壊した時、このカードを墓地に送ることで装備モンスターはもう1度攻撃ができる。ラス・オブ・ブレイバー・セカンド!」

 再び立ち上がったブレイヴ・ネオスが、またしてもネオスペースを駆ける。その全身から黄色のオーラが抜けたことでそれ相応に攻撃力が下がりこそしたものの、そ
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