暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga30-B遥かに永き旅路の果てへ〜Have a good journey〜
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†††Sideイリス†††
マリアさんがルシルの座る車椅子の後ろに回って、グリップを握ったところで・・・
「待ってください!」
なのはが制止の声を上げた。そしてルシルの前にまで移動すると「私の魔力、持って行って」って右手を差し出したから、ルシルは驚きの表情を浮かべてなのはを見た。
「これが最後って言うのなら、私に出来ることは全部やっておきたいんだ。事件解決後には休みをとるつもりだったし、2〜3日分くらいは魔法使えなくても大丈夫だから」
「しかし・・・」
「しかしも何もないよ。ほら、早く。時間、ないんだよね?」
「ありがとう。本当にありがとう、なのは」
女神のごとき笑顔を浮かべるなのはに、ルシルは泣くのを堪えるように目をギュッと瞑って礼をした。動かし難そうにしてるルシルの左手を取って、「いつでもいいよ」って笑ったなのはは目を伏せて、魔力を吸収されるのを待つ。
「絶対に無駄にはしない。
女神の祝福
(
コード・イドゥン
)
」
「ぅく。ん・・・ぅん。ルシル君。今日までありがとう。ルシル君と一緒に過ごせたことは、私の誇りだよ」
「なのは・・・。俺もだよ。君と出会えたこと、共に戦えたこと、光栄だったよ」
魔力の吸収が終わったのか、なのはは手に取っていたルシルの左手を、そっとルシルの膝の上に戻した。なのはがルシルから離れると、今度はフェイトが「じゃあ、次は私」ってルシルの前に立った。わたし達の考えはもう同じだ。なのはの言うようにこれが最後になるのなら、これから旅立つルシルの役に立ちたい、だ。
そんなわたし達の思いを察してくれたみたいで、マリアさんは車椅子のグリップから手を離して、「もう少しだけ、お別れの時間を設けます」って言って、その姿を消した。
「えっと、私からもありがとう、かな? 前の世界線でもお世話になったみたいだし、恋人だったし、け、けっこ・・・結婚、もっ、したみたいだし! この世界線でも! ルシルには何度も助けられた! だから、その! いろいろとありがとう!の気持ち!」
顔を真っ赤にしてフェイトはルシルの左手を両手で握りしめた。ルシルの目は懐かしいものを見るかのように優しくて、「こちらこそ。フェイトのおかげで、今の俺があると言ってもいいくらいだ。ありがとう」って儚げに笑って、フェイトの魔力を吸収した。
「次は私、私!」
フェイトがルシルの手を戻すより早くアリシアがルシルの手を取って、フェイトみたいに両手でルシルの手を包み込んだ。さらにアリシアは、ルシルの手を愛おしそうに自分の額に寄せた。
「私もね、ルシルに目一杯のお礼を言いたいんだよ! フェイトがさっき言ったけど、前の世界線じゃフェイトとアルフが、この世界線じゃ同じように2人、それに私がお世話になったから。私が蘇
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