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レーヴァティン
第二百十一話 全軍集結その一

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               第二百十一話  全軍集結
 久志は騎士団領に入った帝国軍全軍に集結を命じた、そして自身もその場所に軍を進めさせた。すると。
 最初に着いたのは彼とその率いる軍勢で。
 そこから続々と集結してきた、その軍を見てだった。
 久志は満足に笑って言った。
「いや、順調にな」
「軍が集結していますね」
「そうなっていますね」
「四十万の大軍がです」
「続々と集結しています」
「ああ、集結してな」 
 そしてとだ、久志は共に陣に築かせた櫓の上から軍勢を見ている将帥達に話した。
「それから補給を終えてな」
「そうしてですね」
「進撃の準備を整えたなら」
「それからですね」
「進撃だ」 
 全軍でというのだ。
「そうするな」
「わかりました」
「そしてそのうえで、ですね」
「敵軍と遭遇すれば」
「その時はですね」
「決戦だよ」
 それに入るというのだ。
「いいな」
「承知しています」
「それではですね」
「まずはですね」
「ここに集結させますね」
「ああ、そしてな」
 それでというのだ。
「いいな」
「わかりました」
 将帥達も応えた、そして久志のところにだった。
 それぞれ軍を率いていた十二人の仲間達が来た、彼等は本陣の久志の天幕に集まるとそれぞれの戦の推移を述べた。
 その後でだ、淳二が久志に言った。
「ベルリンはおいらが攻めたけれど」
「かなりてこずったらしいな」
「うん、堅固で敵の士気も高くてね」
 それでというのだ。
「もうね」
「中々攻め落とせなかったな」
「そうだったよ、それでね」 
 淳二はさらに言った。
「敵の国家元首の総騎士団長だけれど」
「かなりの傑物らしいな」
「采配もよかったけれど勇敢で冷静で」
 そうした人物でというのだ。
「捕虜になっても堂々としていて自分はいいが部下と民にはね」
「手出しをするなか」
「胸を張って言ったよ」
「かなりの人物だな」
「立派な騎士だよ、政は普通みたいだけれど」
 そちらの手腕はというのだ。
「けれどね」
「騎士か」
「今言った通りのね」
「そうなんだな」
「騎士団の騎士はどの者もそうでござる」  
 進太も言ってきた。
「勇敢で高潔な」
「そうした奴ばかりか」
「武士道に負けていないでござる」
 彼等の騎士道、それはというのだ。
「そのことは間違いないでござる」
「そうなんだな」
「総騎士団長は今捕虜になっているでござるが」
「丁重にね」
 その総騎士団長と直接戦った淳二の言葉だ。
「遇しているよ」
「それで部下にも民にもか」
「指一本触れていないよ」
 危害も加えていないというのだ。
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