暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga30-A遥かに永き旅路の果てへ〜Land of Sternberg〜
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『セレネ!』

『エオス!』

『『1年ちょっと会わなかったからって、忘れないでよ!って、ちょっと待って、ガチで忘れてる!?』』

「冗談だよ、セレネ、エオス」

『『だよね!? そうだよね! 焦った、マジで焦った! やめてよね!』』

ユーノの両肩から覗き込むようにモニターに映ってたセレネとエオスはルシルの冗談に乗せられて、ユーノを圧し潰すかのように覆い被さるようにしてモニターに張り付いた。ユーノがそんな2人に『重いから早く退いて』って言うものだから、2人は体を起こしながら『失礼』って、ちょっと理不尽なチョップをユーノの後頭部に打ち込んだ。

「ユーノとセレネとエオスは、相変わらず仲が良いな」

『まぁ大事な人たちだから。・・・ルシル。今度こそ、本当のお別れになるんだよね・・・?』

「ああ。今度こそ、偽りなく」

『そっか・・・。とても残念だよ、ルシル。もう二度と逢えないなんて』

『私も残念。でもさ、あなたの事情は重々承知してるけど、やっぱ死の偽装だけじゃやっちゃダメなやつだったよ?』

『死んだと見せかけて実は生きてて、しかもT.C.のリーダーでしたって聞いて、すっごく腹が立ったんだから』

『『でも・・・。寂しいよ、ルシル』』

「ありがとう。ユーノ、セレネ、エオス」

『局員としても優秀だった君を亡くすのは惜しい。もちろん友人としても辛い。なんだかんだ言って、君は頼りになる友人だった。そんな君にはとんでもない貧乏くじを引かされたよ、まったく』

「ははは。クロノはチーム海鳴の兄貴分だからな。頼りにしているし、されているんだよ」

『ったく、調子のいいことを。・・・実年齢で言えば君の方が圧倒的に兄だろうに』

「こんな身勝手で自己中な兄などいるものかよ」

『そうだな。・・・本当なら俺も、君の旅路の果てを見届けるべきで、俺もそうしたかったのだが、どうしても抜けられない仕事が残っているんだ』

「クロノらしいよ。それに、俺の仕出かした暴走の後始末なんだろ? 迷惑を掛けるな。・・・俺の見送りが出来ないことなんて気にするな。元より俺は誰に見送られることなく行こうとしていたのだしな。・・・エイミィやお子さん達、リンディさんにもよろしく伝えておいてくれ」

『ああ。・・・良い旅を、ルシル』

クロノが通信を切り、彼が映るモニターが消えた。ルシルはモニターがあった場所を少しの間見続けた後、「ありがとう」って、もう届くことはないクロノへ感謝の言葉を口にした。

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