暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga30-A遥かに永き旅路の果てへ〜Land of Sternberg〜
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に痛くないでしょう?」

「確かに柔らかい胸だけど、やっぱ骨が当たって痛いかも」

「まだ言いますか?」

「痛い、痛い、痛い」

わたしの頭をロックしてるトリシュの左腕をタップする。そんなわたしとトリシュを余所に、アリシアは慈悲のつもりかルシルの右頬に手の甲でのビンタを食らわせた。あれはもはや裏拳とも言える。

「いっっ・・・! つぅ・・・! 待って、ちょっと待ってくれ。まさかと思うが、もしや全員から罰を受けるのか・・・!?」

アリシアの背後でシャドーボクシングをしながら待機してるアルフを見て、ルシルは顔を青くした。真っ先になのはが「いやいや、私はやらないよ!?」って前に突き出した両手を慌ただしく振るって、さらにフェイトにすずか、スバル達も、ヴィヴィオ達も首を横に振った。

「父さん。僕は遠慮なくやらせてもらうよ」

「いって!・・・あ、ああ、フォルセティ。馬鹿な父親だと嗤ってくれ」

結局パンチじゃなくてデコピンを食らわせたアルフが離れ、涙目のルシルが次に目の前に立ったフォルセティを優しい眼差しで見て、そして自嘲した。フォルセティは「嗤わないよ」って、ルシルの真正面から両肩に手を置いた。そして深呼吸を何度か繰り返した後・・・

「これが、母さん達を悲しませ、泣かせた罰だよ! 父さん! ふんっ!!」

それは見事な頭突きを食らわせた。その勢い、衝突音にわたし達は絶句した。ルシルもガックリ項垂れて、「くく、効いたぁ・・・ふふふ」って、痛すぎたのか小さく笑い始める。フォルセティも額を真っ赤にして、痛みで涙目だ。

「「大丈夫? フォルセティ」」

「額、真っ赤ですね。加減なしが過ぎますよ」

「すっごい音したもんね。無茶しすぎだよ」

「私のヒーリングで治しましょう」

「だ、大丈夫だよ、ヴィヴィオ、コロナ。ごめんなさい、アインハルトさん、リオ。ありがとう、イクス」

フォルセティの元に集まるヴィヴィオ達の様子が微笑ましい。あの子たちを優しく見てると、『僕も、そっちに居ればグーパンくらいするんだけどね』って、こちらと通信を繋げたユーノが、モニター越しにそう言って苦笑いを浮かべた。

『そうだな。ルシル、君が本局で巻き起こした混乱の後始末が無ければ、俺も行って、一発はぶちかましていたぞ』

『ステアの正体が実はルシルだったなんてね〜』

『私たちが知らない間に、ルシルは実は生きてて、しかも敵でなんたらかんたらで、ビックリしすぎてハゲるかと思ったんだけど〜?』

「いつつ。ユーノ、クロノ。あと・・・」

今気づいたけどルシルは首から下が動かないのか自分の手を使わずに、アイリが代わりに赤く腫れた額や頬をそっと撫でて、「ヒーリング」の魔法を発動してそのダメージを回復させる。


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