暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga30-A遥かに永き旅路の果てへ〜Land of Sternberg〜
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なるのかな」
――ママ〜♪――
――ママとお姉ちゃんたちの絵かけた〜!――
また幻視+幻聴だ。廊下の奥から駆けてくる小さな女の子と男の子。2人の手には、額縁に収められている拙い似顔。2人は私たちをすり抜けて、玄関の方へ。そちらに振り向くと、エリーゼ卿とアイリとアギトの3人の姿が。エリーゼ卿たちに絵を見せる子ども達の姿が微笑ましくて、私の胸の内がポッと温かくなる。
当時のシグナムさん達の絵画や、子ども達の描いた絵を見て思い思いに感想を言いながら、私たちは廊下を進み、「この部屋にマイスターが居る」と、アイリさんが執務室の両開き扉の前で一度足を止め、私たちに振り向いた。
「アイリからみんなに忠告しとく。マイスターの姿を見てショックを受けると思う。だけど、取り乱さないでほしい。お願い」
アイリの今にも泣きそうな表情と震えた声は、ルシルさんが今置かれている状況が酷いものだと理解するには十分すぎるものだった。私たちは息を呑み、アイリが2つのドアノブを捻るのを見守る。
――お願い。オーディンさんを、ルシルさんを・・・救ってあげて――
エリーゼ卿がまた姿を見せ、ゆっくりとこちらに向かって歩いてきました。そして、ご自身の胸に両手を添え、何かを抜き取るような仕草をします。蕾のような形にした両手を私に向けて差し出してきたので、私は手を伸ばした。
――シュテルンベルク家の最後の目標、ルシルさんを故郷に送り出す。その務めを、あなたに託す――
幻にしては現代の私と意思疎通が出来ているような気がしてならない。もしかすると、エリーゼ卿の亡霊・・・。ルシルさんの最期を見届けるために現代まで・・・なんて、そんな馬鹿な話があるわけ・・・。でも、エリーゼ卿の想いはしっかりと受け止めます。あなたと同じ人を好きになった者として。
「っ!?(魔力が・・・全快した・・・!?)」
エリーゼ卿の開かれた両手の中には何もなかった。けれど、その何もない空間に伸ばしていた右手から流れ込んだ来る温かな魔力が、空っぽになっていた私の魔法用のリンカーコアを満たした。自分の身に起きた奇跡とでもいうような状況に驚く私の耳に「お願いね」という、エリーゼ卿の声がハッキリと聞こえた。
「トリシュさん。大丈夫ですか?」
「あまり顔色が優れないようですが・・・」
「休める部屋、探してきましょうか?」
「ありがとうございます。ですが大丈夫です。・・・私たちも入りましょう」
イクスとフォルセティとヴィヴィオ、それに心配そうに私を見るアインハルトとコロナとリオに微笑みを返し、アイリが両開き扉を内側に向かって開くのを見つめる。部屋はカーテンが閉められていることで薄暗いけれど、そこに居た人物が誰かは判った。
「あら〜? どうしてアイリが居るの
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