暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga29アイリ・セインテスト〜Woman living in love〜
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はやて達をかく乱するために必要な戦力だ。抱きかかえる必要性は無いけど、その抱き心地を堪能する時間はここを出たらもう無いかもしれないからね。今のうちに抱っこしておこないと。

「ねぇ、マイスター。ちょっと提案してもいい?」

アイリの前を歩く“エインヘリヤル”は執務室に残るマイスターと意識が繋がっていて、マイスターの思考が“エインヘリヤル”の言葉として発せられるし、視覚も聴覚も共有してる。だからアイリは、マイスター本人に話しかけるつもりで“エインヘリヤル”に声を掛けた。

「なんだ?」

「マイスター。これで最後になるんだから、はやて達とちゃんとお別れをした方がいいと思うんだ」

「そのことか・・・。俺は、自分の死を偽ってはやて達と決別を図った。今さらどんな顔をして話せと?」

“エインヘリヤル”の今の恰好は、“界律の守護神テスタメント”の証である神父服、フード付き外套、仮面っていう聖衣。マイスターの言うように、はやて達に素顔を見せるつもりはないって意思表示だ。そんなマイスターの考えに意見するためにアイリが「うん」って頷くと、胸に抱くエルフテが信じられないって目でアイリを見上げてきた。

「アイリはマイスターのための融合騎だから、マイスターに従うべきなんだろうけど、ただ従うだけじゃダメなんだって思うの。マイスターのことが大切だから、大好きだから、マイスターが自ら辛い道に進むのを黙って見ていられないの」

「辛い道・・・か。自業自得、因果応報だな。その辛い道とやらを進まなければならないほど、俺は罪深い存在だ」

「そんなこと・・・!」

「あるさ。マリア達は俺ひとりのために、本来進むべき歴史を大きく変えた」

「でも、そのおかげでアイリは生まれた。闇の書もはやてに出会う前にマイスターと出会って、一時でも幸せになれた。アリシア、クイント、ティーダが死ななかった」

「その分、ドクターや無関係な一般市民が大勢亡くなったり、大きく人生を歪まされた人も多くいる」

リンドヴルムが首都クラナガンで“A.M.T.I.S.”を起動させた事件や、プライソン事件、イリュリア・クーデター事件、この3つの大きな事件だけで被害者・犠牲者はとんでもない数だ。

「でも! マリアが言ってたでしょ。マイスターがこの世界に居なくても起こり得た可能性がある事件だったって。マイスターが関わってない次元世界で、こっちの次元世界で起きた事件以上に悲惨な事件・事故などが起きてることも確認してるって。あくまでこの次元世界で大事件が起きそうだったから、リアンシェルト達エグリゴリが利用したに過ぎないって。マイスターが全部悪いわけじゃない」

無限に在る世界線、無限の可能性、無限の悲劇。リンドヴルムはシュヴァリエルが居なくても他の世界線でも登場するらし
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