鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第八話
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・・いや?そんなことは無いよ銀ちゃん。とても、とても良い夢だと思うよ」
「うん〜♪ウェディングドレス着たミノさん似合いそう〜♪」
「嗚呼・・・刻が見える・・・」
一瞬、三人は普段男の子張りに活発な銀の口から出た夢のギャップに意識を持ってかれていた。
所謂『ギャップ萌え』である。一人取り残されてそうだが、そこは気にしない。
蓮と園子は、恥ずかし気に夢を話す銀が急に愛おしくなり、二人で頭を撫で続けた。
「おいおいなんだよ二人共〜。あ、そうだ、蓮の夢は?」
「僕の夢?」
「あとはれー君だけなんよ〜」
「あ〜・・・強いて言うなら一つ、あるかな・・・でもこれ夢と言って良いのかなぁ・・・」
「お、なんだなんだ?」
顎に手を当て、少し考えこむ蓮。正直、あまり考えたことも無かった。だが、今は一つ、心に決めている事がある。
「みんなと一緒に生きること・・・んで、みんなの事を守ること・・・かなぁ?ちょっと子供っぽいかな」
聖剣を持った時から、ずっと心に決めていた事。これを夢と言って良いかわからないが、蓮にとってはこれが今の夢だった。
それを聞いた三人は、蓮らしいやと、笑顔になった。
そうやって、勇者たちは楽しい時間を過ごした。
もはや悪夢のことなど、忘れてしまうほどに。
時計は刻一刻と針を刻む。
それはこの時間が終わりを告げることを示していた。
誰の言葉だったか――――身構えているときには、死神は来ないのだ。
逆もまた然り。
カウントダウンは、止まらない。
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