鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第八話
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「「「・・・・・・」」」」
再び勇者たちに沈黙が襲う。周りからは楽しげな声などが聞こえてくるが、それら一切も四人の耳には入ってこなかった。
「・・・まぁこれからはもっと油断ならないってことだね。ヨシ!」
再び沈黙を破ったのは蓮からだった。明るい声を出して、話を終わらせようとする。
「おいおい。蓮、お前の事だぞ?もう少し考えても・・・」
「そうだよ〜・・・れー君このままじゃ・・・」
死んじゃう。と園子が言う前に蓮が自身のポテトを園子の口に突っ込んだ。
「もがっ」
「確かに考えるのは重要だけど・・・今考えても分からない事だらけじゃん?どんな敵と戦って、どんな状況だったのか・・・とかさ。だからあんま深く考えて、暗い気持ちになるのはやめにしようよ」
その言葉に訝し気な表情を浮かべる三人。でもなぁと話を続けようとする銀の口に、今度はナゲットを突っ込む蓮。
「もががっ」
「んでもって、僕にはモナドがあるんだよ?盾アーツさえあれば、そう簡単にはやられないよ。それに――――」
そう言葉を紡ぐ連は、何も言おうとしてない須美の口にちぎったバーガーをぶち込んだ。
「もがーっ!」
「・・・僕にはみんなが一緒にいてくれる。四人一緒なら、いつも通り何とかなるよ。只の夢で、終わらせられる」
そう言い切る蓮の声は、もう震えてはいなかった。
「「「・・・・・」」」
そう本人に言い切られては、もう何も言えない。
三人は目くばせをし、口の中の物を飲み込んだ後、話し始めた。
「そうだよな。アタシたち四人なら、なんだって出来る!蓮、お前の事は、死なせない!
「うん、絶対に。ね〜」
「ええ、私たちなら、絶対に!」
そう思い思いの言葉を伝える三人。もう、四人に迷いは無かった。
しかし、そんな覚悟とは裏腹に、バーテックスはてんで襲来しなかった。というのも、イネスでの誓いの後に神託が下ったのだが、それは『しばらくは敵襲は無い』という神託が出たので当然と言えば当然ではあった。
勇者たち四人は軽くずっこけ、しかしながらも心の底から安堵したことは間違いなかった。
この勇者たちの”休養期間”を四人は楽しく過ごしていた。
いつも通りイネスに行き、ゲームセンターでゲームを網羅したこともあった。そこで、蓮のクレーンキャッチャーでの以外な才能が開花したり。
ある日学校で、園子が『ラ』の付く手紙をもらった時があった。須美や銀が羅漢像だの、不幸の手紙だの騒いだものの
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