3部 公人と私人
15話 パーティの夜
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
次へと撃ち抜かれていく。
ホテルの非常用電源が復帰する頃には、ほとんどのテロリストが銃弾を浴びて、血まみれで殺されていた。
「終わったか…」
「各員!周囲の安全を確認しろ!安全確保したら順次、御婦人方からホテルの安全な個室へ誘導を開始しろ!」
その場でオグス少佐が指示を出す。
エリオットも拳銃を持ったままで、オグス少佐の下に集まる。
「無事か?」
「……エリオット少佐、頬に傷があるぞ」
「ガラスの破片で斬っただけさ」
「何か手伝える事はあるか?」
オグス少佐に聞くと、彼はエリオットに促す。
「事が大きくなる前にエリオット少佐は帰宅した方がいい。後々、面倒な事になるからな。ここは私が上手く説明しておく」
「いいのか?」
「ジオン公国軍人なら、この騒ぎなら言い訳は聞きやすい。しかし、生粋の軍人ではない君ではややこしい事になる。その前に姿をくらます方がいい」
「そうだな。すまない。オグス少佐。この恩は別の日に返す」
「早く立ち去れよ!」
ブレニフ・オグス少佐の粋な計らいで、事なきを得た、エリオット少佐は、礼服を元の場所で脱ぐと、そのまま自宅へと帰った。
「……とんでもないパーティだったな」
宵も更けて22時。
帰宅するとアネットは驚いた。
「エリオット!その傷…!」
「詳しい事は部屋で話すよ」
救急箱を持ってくるアネットは、消毒液で左頬の傷の消毒をする。血は止まっているし、傷も浅い。痕は残らないだろうと思う。エリオットは手当てを受けながら、この国が抱える闇を話す。
「このジオン公国の闇は奈落のように深くて、そして重くて、何より、血にまみれている……」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ