暁 〜小説投稿サイト〜
艶やかな天使の血族
3部 公人と私人
15話 パーティの夜
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次へと撃ち抜かれていく。
 ホテルの非常用電源が復帰する頃には、ほとんどのテロリストが銃弾を浴びて、血まみれで殺されていた。

「終わったか…」
「各員!周囲の安全を確認しろ!安全確保したら順次、御婦人方からホテルの安全な個室へ誘導を開始しろ!」

 その場でオグス少佐が指示を出す。
 エリオットも拳銃を持ったままで、オグス少佐の下に集まる。

「無事か?」
「……エリオット少佐、頬に傷があるぞ」
「ガラスの破片で斬っただけさ」
「何か手伝える事はあるか?」

 オグス少佐に聞くと、彼はエリオットに促す。

「事が大きくなる前にエリオット少佐は帰宅した方がいい。後々、面倒な事になるからな。ここは私が上手く説明しておく」
「いいのか?」
「ジオン公国軍人なら、この騒ぎなら言い訳は聞きやすい。しかし、生粋の軍人ではない君ではややこしい事になる。その前に姿をくらます方がいい」
「そうだな。すまない。オグス少佐。この恩は別の日に返す」
「早く立ち去れよ!」

 ブレニフ・オグス少佐の粋な計らいで、事なきを得た、エリオット少佐は、礼服を元の場所で脱ぐと、そのまま自宅へと帰った。

「……とんでもないパーティだったな」

 宵も更けて22時。
 帰宅するとアネットは驚いた。

「エリオット!その傷…!」
「詳しい事は部屋で話すよ」

 救急箱を持ってくるアネットは、消毒液で左頬の傷の消毒をする。血は止まっているし、傷も浅い。痕は残らないだろうと思う。エリオットは手当てを受けながら、この国が抱える闇を話す。

「このジオン公国の闇は奈落のように深くて、そして重くて、何より、血にまみれている……」

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