暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第87話:届かぬ声、届かぬ手
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『響ちゃんのガングニールの起動を確認ッ!!』
「ッ!? 場所はッ!!」
『颯人君が今居る場所から北へ真っ直ぐ! タワーの下の方で起動を確認したわ!』
「下?」

 あおいの報告に首を傾げつつ、とりあえず颯人は北へ真っ直ぐ廊下を突き進み再び窓を突き破り下の方を見た。

 するとそこでは、シンフォギアを纏った響が颯人の方を見上げている所であった。

「ったく、あれほどシンフォギア使うなっつったのにッ!!」

 困ったお嬢さんだと颯人が急降下して響と合流しようとした。その直後、タワーの一部が大きな爆発を起こし瓦礫を周囲に散乱させる。

 間一髪で爆発の範囲から逃れられたと胸を撫で下ろす颯人だったが、直後に下に居る響が上げた叫び声に思わず背筋を凍らせた。

「未来ぅぅぅぅッ!?」
「はっ? え、まさか――――!?」

 今の爆発があった場所に未来が居たと言う事実に、颯人は慌てて引き返し爆発があった階に飛び込んだ。木端微塵になり黒焦げになった階は酷い有様で、人っ子一人見当たらない。

 それでも颯人は諦めず懸命に未来の姿を探したが、結局影も形も見つけることは出来なかった。

「嘘だろ?」

 瓦礫の山と化したスカイタワーの中に、唖然とした颯人の呟きが静かに響いた。
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