偽りのサーヴァント
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刃がフェイカーの体をかする。
「へえ……」
胸元に付いた切り傷を撫でながら、フェイカーは肩をすぼめる。
「少しはやるね」
「どうも」
ウィザードは左右の指輪を入れ替える。だが、まだ魔法を発動させずに、そのまま攻撃を続ける。
ウィザーソードガンの攻撃はフェイカーの足蹴りによって阻まれるが、そこでウィザードは二つの指輪をそれぞれに使った。
『リキッド プリーズ』
『ブリザード プリーズ』
体を液状化し、さらにウィザーソードガンには氷の刃を宿す。
これにより、フェイカーの物理攻撃は通用せず、ウィザードの氷の斬撃がフェイカーに命中していく。
「へえ……」
フェイカーは胸に付けられた凍傷跡を振り払う。
「少しはやるな」
「……っ!」
ウィザードは再び身構える。
だが、フェイカーは全身から力を抜き、少しずつ後ろへ下がっていく。
「おい、待て!」
「まあまあ。君とはまたいずれ、会うことになるだろう」
フェイカーは両手を広げる。
ウィザードは、追いかけるようにフェイカーに迫る。
「待て! 喧嘩を売っておいて、逃げるのか!」
「残業はしない主義なんだ。少し、君と遊んでみたかっただけだからね。これ以上は失礼するよ」
そう言い捨てたフェイカーは、体を浮遊させていく。逃げられる前に、ウィザードはサファイアの指輪をエメラルドに変更する。
「逃がすか!」
『ハリケーン プリーズ フー フー フーフー フーフー』
水から風となったウィザードは、風に乗ってフェイカーを追いかける。
だが、空中で今にも触れようかという瞬間。
フェイカーの姿は、蒼い闇の霧となって霧散していった。
「……逃げられた……」
空中で浮遊しながら、ウィザードは呟く。
その時、地上でウサギたちと戯れているモカを発見したのだった。
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