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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
特別編 追憶の百竜夜行 其の七
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本物……」
「でゅふ、でゅふふふ! あぁっ、この薄皮1枚を掠めていく感覚! この身を焦がすようなスリル! たまりません、たまりませんなぁっ……でゅふふふっ!」
「……だとは、思うのだがな。あの言動ばかりは、どうにも付いていけん」

 ただ、そのスリルに快感を覚えるあまり、だらしない貌で頬を紅潮させている彼女の姿は「異様」としか言えず。結局、「変わり者」には違いないというのが最終的な評価になってしまっていた。
 とはいえ、ノーラの功績は確かなものであり。彼女の撹乱によって攻撃の機会を得たディノは、「気刃斬り」によってナルガクルガをあと一歩のところまで追い詰めている。

「……! いかん! ノーラ、伏せろッ!」
「へ? ――うひゃあぁあぁあっ!?」

 だが、逆上した迅竜の咆哮は、回避能力など無意味と言わんばかりにノーラの身体を吹っ飛ばしてしまった。激しく地を転がる彼女はやがて、その先に置かれていた大きな「ドラ」に頭から突っ込んでいく。

「んごほぉっ!?」
「ノーラッ!」
「きゅるる〜っ……や、やられちゃいまひたぁ……」

 天を衝くような轟音と共に、「ドラ」に頭突きしてしまったノーラは。ぐるぐると目を回してふらついた後、大きな臀部(ヒップ)をぷりんと突き出すような格好で、敢えなくダウンしてしまうのだった。

「おのれッ! よくもノーラ、をッ……!?」

 ――すると、その瞬間。仲間を倒された怒り故か、ドラの音色が齎す効能故か。
 ディノ達は、全身の力がかつてないほどに漲っていくような感覚に包まれていた。

「な……なんだ、この衝き上がるような昂りは!? 際限なく力が伸び上がっていくような、この感覚は……!」
「わらひもノビちゃってるんでふけど〜……」

 ハンター達の身体に強烈な「昂り」を齎す、「反撃のドラ」。知らず知らずのうちにそれを鳴らしていた彼らは、ついに「反撃の狼煙」を上げたのである。

「クリスティアーネさん、これ……! なんだか凄く身体が熱くて……今なら、どんな敵にも勝てそうな気がしますっ!」
「ベレッタ様……参りましょう! この好機、決して逃すわけには行きませんっ!」

 その概念を知らずとも、これが最大の好機であるということは本能で理解していた。故にディノも、クリスティアーネも、ベレッタも。立ち止まることなく各々の得物を振るい、眼前の竜を狩るべく声を張り上げていく。

「やぁあぁッ!」
「はぁあぁああッ!」

 ティガレックスの咆哮も、爪も、容易くかわして。ベレッタは矢の嵐をその全身に浴びせ、クリスティアーネは渾身の溜め斬りを叩き込む。

「おおおぉおおーッ!」
「ディノひゃん、やっひゃえぇ〜……」

 ディノもまた、ノーラの声援を受けて太刀を振るい、ナルガク
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