特別編 追憶の百竜夜行 其の一
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はぁ、はぁ……! 話には聞いてたけど……まさか、ここまで激しいなんてッ……!」
「アダイト、柵を破ろうとしている奴らがいるぞ! そいつらを頼むッ!」
「はぁッ、はぁッ……はいッ!」
フルフル、バサルモス、ヨツミワドウ。アケノシルム、プケプケ、アオアシラ。これほどの規模のモンスターが同時に襲来する事態は極めて稀であり、当然ながら西シュレイド地方から来たアダイトにとっては、未知の地獄であった。
里守達を率いて迎撃に当たっているフゲンの指示に従い、アダイトは慣れない土地での戦闘に翻弄されながらも、懸命にバーンエッジを振るい続けている。
バリスタの数も全く足りていない現状では、不利を承知で接近戦を挑むしかないのである。ハンターではない里守達に、その危険な役回りを与えるわけにはいかないのだから。
「ぬぅんッ……気焔万丈ッ!」
「す……凄いな、フゲンさんは……!」
そんな中、太刀を振るい多くのモンスターを同時に斬り伏せているフゲンの戦い振りは、新人を圧倒するには十分過ぎる光景であり。何頭ものリオレウスを狩猟してきたアダイトも、その威風には息を呑んでいた。
だが、これが彼1人で凌ぎ切れるような災厄ならば、わざわざ外部のハンターを呼ぶ必要などないのである。彼の猛攻を凌ぎ、その防衛線を突破してきたモンスターの群れは、フゲンの後方に陣取っているアダイト達に迫ろうとしていた。
「ここは任せてくれ、アダイトッ!」
「ウツシ!?」
その時。1頭のアオアシラの上に跨っているウツシが颯爽と駆け付け、群れを率いる「大物」のオサイズチに勢いよく襲い掛かっていく。
翔蟲から発射される鉄蟲糸をモンスターに絡ませることで、意のままに操る操竜という技術だ。彼が操るアオアシラは、自身よりも大きなオサイズチを相手に鋭い爪を振るい、体格差を物ともせず圧倒している。
「翔蟲って、そんなことまで出来るのか……!?」
「大自然と手を取り合い、共に災禍に立ち向かう。これがカムラの里の狩猟というものだよ!」
里の中でも特に操竜に長けているというウツシの技量を以てすれば、「大物」の撃破も容易いのだろう。オサイズチはなす術もなく叩き伏せられ、僅かだが群れの勢いが弱まったように見えた。
「よし、大物を仕留めたことで奴らの気勢も削がれたようだな! いまのうちに体勢を立て直して……ぬうッ!?」
だが、それは「前兆」でしかなかったのである。大勢のモンスターを相手にしており、手が離せないフゲンの頭上を飛び越して――その「真打ち」は、一気にアダイト達に襲い掛かってきたのだ。
「あいつは……!」
「アダイト、危ないッ!」
その巨影にアダイトが戦慄を覚える瞬間。咄嗟に操っ
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