第四章
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お見合いを断った、やがて美佐子にお見合いを申し出た教師は生徒へのセクハラやモラハラ、パワハラがばれて懲戒免職になり美里子の方は飲酒運転で捕まって家の仕事もクビになり追い出された。こうしてだった。
二人はそれぞれ破滅し母はそれを見て言った。
「結婚しなくてよかったわね」
「ええ、本当にね」
「結婚したら大変だったわ」
娘達はそれぞれ答えた。
「その時はね」
「どうなっていたか」
「全くよ。お見合いを断る様にしてね」
姉妹を入れ替えてというのだ。
「よかったわ」
「全くよ」
「お母さんの知恵のお陰よ」
「本当にね。そっくりですね」
姉妹の外見がそうであってもというのだ。
「間違えられたり悪いことばかりじゃないわね」
「そうだな」
父も言ってきた。
「それはな」
「そうよね」
「ああ、あそこでな」
「若し相手が気に入っていたらね」
「それがよくない相手だったからな」
「それもどちらもね」
「成功していたら」
父はしみじみとして言った。
「本当にな」
「かえってだったわね」
「全くだな」
「けれどね」
「美佐子と美里子がそっくりだったからな」
「今回は上手くいったのよ」
お見合いをどちらも断られたというのだ。
「そうなったのよ」
「そうだな、本当によかった」
「そうね」
「これはよかった」
「さて、良縁があったら」
母は自分の夫との話の後で娘達に顔を戻して言った。
「その時はね」
「私達もなのね」
「その時はなのね」
「あんた達はそのままよ」
入れ替わらずにというのだ。
「いいわね」
「ええ、お付き合いして」
「そうしてよね」
「結婚しなさい」
微笑んで告げた。
「いいわね」
「ええ、じゃあね」
「その時はね」
「そういうことでね。今回は特別だから」
入れ替わったことはというのだ。
「そのことは覚えておいてね」
「入れ替わりはあくまで今回だけで」
「普段はなのね」
「あんた達のままでいなさい」
こう言ってだった。
母は今回のことをよしとした、そして後日娘達はそれぞれまた自分達の性格を見てお付き合いしたいという人と巡り合った。今度はどちらもまともな性格だったので母も何も言わなかった。そしてありのままに交際しそうして結婚出来た。母も父もそこから祖母と祖父になれた。
そっくりな姉妹でも 完
2021・3・7
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