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スライムといっても
第四章

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「実に」
「はい、大きさまで」
「犬や猫より多いかも知れないね」
「どちらもかなりですが」
「それ以上かも知れない、だったら」
 マルセールはそれならという顔になった、そのうえでラヴェルに話した。
「もうスライムだけの図鑑を作成しようか」
「そうしてくれますか」
「これでもまだ足りないね」
「まだまだ、そしてそれぞれのスライムの地域ごとの亜種も存在していて」
「だとすると」
「スライムの図鑑をですね」
「作成しよう」
 マルセールは館長としてこのことを決定した、そうしてだった。
 モンスター図鑑が作成されそれと共にスライムの図鑑が作成された、それと共にドラゴンの図鑑もそうされた。
 そのスライムの図鑑を読んでモンスター退治を行う冒険者や軍人だけでなくモンスターに遭遇することもある旅人や外で仕事をする者それにモンスター好きの面々も唸った。
「そうそう、スライムって多いからな」
「数も種類も」
「何処にどんなスライムがいると有り難い」
「この図鑑は助かるよ」
「よく作ってくれたよ」
 多くの者が喜んだ、マルセールはその状況を見てラヴェルに話した。
「君の判断が正しかった」
「スライム専門の図鑑を作成してですね」
「多くの人が助かって興味も持っているしな」
「はい、スライムは確かに何処にでもいて」
 ラヴェルはマルセールに話した。
「そしてです」
「おおむね弱いな」
「ですが個体数も種類も非常に多く」
「遭遇することも多いからな」
「はい」
 まさにとだ、ラヴェルは答えた。
「だからです」
「スライムの為の図鑑を作るといいし」
「作ってよかったですね」
「私もこのことがわかった」
 マルセールの今の言葉は確かなものだった。
「どんなモンスターでも馬鹿に出来ないな」
「弱くとも」
「全くだ、以後の教訓にしよう」
「そうされて下さい。それでなのですが」
 ラヴェルは話が一段落したところでマルセールにこう話した。
「そろそろお昼ですが」
「今日は食堂で特製ゼリーが出るそうだな」
「シェフの人の自信作だとか」
「楽しみだな」
「そうですね、それでそのゼリーは」
 ラヴェルはここで笑ってマルセールに話した。
「大豆の形をした」
「スライムか」
「そうかと」
「食べられるスライムもいたな」
「実は毒のあるもの以外は」
「そのことも面白い、それで味はどうか」
「これが結構」
 スライムを食べた時の味の話にもなった、そうした話をしてだった。
 ラヴェルもマルセールも昼は博物館の食堂で食事をし最後のデザートも楽しんだ。そのデザートはスライムではなかったが美味かった。


スライムといっても   完


                  2021・5・9
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