第四章
[8]前話
「ついついね」
「早くなるの」
「そうなるの」
「無意識ね」
「食堂は時間勝負でもあるから」
店の仕事、それはというのだ。
「何時でもお客さんどんどん来るから」
「そのお客さんになのね」
「出さないといけないから」
「早く美味しいものを」
「だからなの」
「そう、ここにいたら余計に」
料理部にいる時よりもというのだ。
「早くなるの」
「味は相変わらずだし」
「お家のお仕事だからなのね」
「早いのね」
「それで美味しくなったのね」
「そうなのよ、どやされはしないけれど」
両親達からというのだ。
「どうしてもね」
「早くなる」
「無意識にプレッシャーで」
「そうなるのね」
「そうなの、やっぱりいつもやっていたら」
料理、美味く早くなる様に様々な料理を作っていたらというのだ。
「こうなるわ」
「そうなのね」
「そういうことなのね」
「それで早くなって」
「それでなのね」
「自然とこうなったのよ、凄いとかじゃなくて」
美菜子は笑ってこうも言った。
「お家がそうだとね」
「自然となる」
「環境ね」
「それ次第ってことね」
「そう思うわ、じゃあ追加注文あったら言ってね」
美菜子は笑顔でこうも言った、そうしてだった。
部員達と楽しい話をしながら追加メニューを受けた、そちらもすぐに出してしかも美味かった。
美菜子はそれからも美味いものを作っていった、そのジャンルも多彩であったがそれは彼女にとっては日常であった。家の仕事がそうであるから。
料理無双女子 完
2021・1・16
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