るんって来たああああああ!
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れていた。
「さあ、フィナーレです」
そう宣言したピエロは、高く掲げた指を鳴らした。
すると、見滝原中央駅の一面をモノクロカラーで染め上げた風船たちは、一斉に破裂した。
連続する乾いた音。
一瞬の沈黙の後、日菜をはじめ、紗夜、ココア、そして街の人々がピエロへ拍手を送った。
ピエロはお辞儀をしたのち、ハルトへ告げた。
「さあ、次はそちらの番ですよ」
彼の影が、ピエロ本来の物とは違うことなど、気付く余裕はなかった。
「……はっ!」
司会進行役を買っていたこともすっかり忘れて、ハルトはココアへ言った。
「ココアちゃん! 今、お姉ちゃんきてたりしてない!?」
だが、肝心のココアまでもが、ピエロの芸に見とれていたせいで、わざわざ見滝原中央駅まで来ていた理由が飛んでいた。
「忘れてたあああああ!」
慌てふためく自称大道芸人の二人を、ピエロは駅のビルから見下ろしていた。
顔に張り付けた仮面の笑顔で、二人を___正確には、革ジャンの青年を見下ろしていた。
「ライダーのマスター……ねえ?」
張り付いた笑顔が歪む。口角が吊り上がりながら、その黒い瞳に青年、ハルトの姿を捉える。
「アサシン、エンジェルのマスターを倒した……さて、どう動こうか……」
ピエロは胸元より、群青色のそれを取り出した。
手のひらに収まるサイズの道具。その上部には、金色のバンドがXの字状に巻きつかれており、それを拘束していた。
ピエロはそのまま、そのアイテムの頭頂部を叩く。すると、拘束具の封印が解かれる。棒状のそれは左右に開かれ、面の形となる。
ピエロはそのまま、面を顔に合わせる。複雑なディティールの中、両目にあたる部分のみが開いていた。
仮面より、群青の闇が溢れ出す。さらに、目が赤く輝き、その姿を変えていく。
人の形こそしていれど、それは人間とは言えないものだった。
ただ一つ。ピエロの姿をメインにしていることを除いて。
「もっと私を愉しませてほしいなあ……君と、君の大切な仲間たちの物語で」
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