るんって来たああああああ!
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からね! 今回は、私が勝たせてもらうよ!」
「それは改めて別の時にやっても良いんじゃない? お姉さん探してる今じゃなくても……」
「お待たせ!」
ハルトが言いかけたところで、日菜が戻ってきた。
彼女は、ほとんど顔が同じ少女を引っ張ってきている。
日菜とは違い、ウェーブがかかった長い髪の少女。日菜が笑顔が似合う少女だというのなら、彼女は落ち着いた表情が似合う人物だった。
「ちょっと日菜……」
「お姉ちゃん、こっちこっち! すごいよ! すっごいるんって来たんだよ!」
日菜は笑顔で少女___どうやら姉らしい___へハルトたちを紹介する。
すると、日菜の姉は呆れたようにため息をつきながら、ハルトたちへ頭を下げた。
「すみません。日菜が迷惑をかけたみたいで」
「いえいえ。全然。私達大道芸人コンビからすれば、嬉しい限りです」
「誰がコンビなのさ誰が」
ハルトのツッコミも、ココアは聞き流した。
そして、騒ぎの原因になった日菜は、興奮しながら姉に訴える。
「一緒に見ようよお姉ちゃん! この人の大道芸、すっごいよ!」
「……」
姉はむすっとした顔で視線を逸らす。
「さあ、ハルトさん! 今日こそ私の勝負、受けてもらうよ! そして、ラビットハウス1のエンターテイナーの座を返してもらうよ!」
「……ほう……」
その言葉に、ハルトは思わず不敵な笑みを浮かべた。
「そこまで言うからには、とっておきのものを見せてくれるんだよね?」
「もちろんだよ! ハルトさんだってビックリするような奴を見せてあげる!」
そこまで言われたら、ハルトも黙ることはできない。
ハルトは「コホン」と咳払いし、
「えー、それでは……見滝原中央駅、噴水広場、恒例でもない大道芸対決を始めます!」
「おーっ!」
日菜が拍手でハルトとココアを迎える。
すっかり大道芸人の血が騒いでしまったハルトは、大見得を切って大衆へ語りかける。
「さてさて。普段は見滝原公園で色々やっている私ですが! 今回は、こちらのお嬢さまから挑戦を受けての開催になります!」
見滝原公園とは違い、中央駅の人々はのんびりと足を止めたりはしない。腕時計を確認しながら駅へ駆け込むサラリーマン、メモの内容と買い物袋の中身を睨めっこしながらブツブツ呟く主婦、残り少ない冬休みを満喫させようと必死の学生たち。
だが、それでもハルトは続けた。
「まずは手始めに、不慣れな挑戦者とは別に、私の手品をお一つ。お見せします」
「おおー!」
目の前でしゃがんでいる日菜が拍手を送る。
「本当にごめんなさい……いや、これは日菜が悪いのではないのかしら……?」
姉が頭を抱え始めた。ハルトは彼女がこちらを向い
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