第4節「世界を壊す、その前に──」
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先端に降り立った。
「ヘヘッ、あいつらばっかにイイ格好させるかよッ!」
「そうだねッ!僕達も頑張ろう」
早速探索を開始しようとした、その時。
ピィィィンッ、と金属を弾く音が響いた。
「──ッ!?」
そして次の瞬間、金属がぶつかる音が二連続。
直後、頭上でヘリが爆発した。
「ヘリが……ッ!!」
振り返り頭上を見上げると、アーチの上に人影が。
やたら派手な決めポーズで佇み、こちらを見下ろす女性の姿。
黄色いジャズダンサーのような出で立ちに、黒髪の内側も黄色。アイシャドウも黄色。
間違いない。撃ったのは彼女だ。
「この仕業は──お前かッ!」
襲撃者は、ただ黙ってこちらを見下ろしていた。
ff
「装者輸送ヘリ、沈黙ッ!」
「どうなっているッ!?」
「何者からかの襲撃を受けている模様ッ!」
「ロンドンからも、翼さんが交戦しているとの報せですッ!」
その頃、本部には緊張と衝撃が走っていた。
ただの大規模火災だと思っていた事件が、予想外の事態へと変わっている状況。
新たな敵の襲来。そう結論づけるに充分な情報が、この場に出揃っていた。
(同時多発……こちらの混乱を誘っているのか?だがしかし──)
弦十郎はロンドンへと通信を繋ぐ。
「緒川ッ!」
『はい』
「このままでは情報が不足して相手の狙いが絞り込めないッ!」
『了解です。ヤードとMI5に協力を仰ぎつつ、状況把握に努めます』
通信を受けた緒川は眼鏡を外し、地下階での爆発を受けて避難誘導が始まりつつあるライブ会場から駆け出した。
ff
続けざまに三発、弾丸が放たれる。
二発は足元、一発はクリスちゃんの髪をギリギリ掠めていった。
挑発していやがるな。かかってこい、って。
「こちらの準備は出来ている」
黄色い衣装の女性は五本の指に金貨を挟み、構えている。
弾丸の正体は金貨だったってわけだ。
「……抜いたな?だったら貸し借りなしでやらせてもらう。後で吠え面かくんじゃねぇぞッ!」
「お前、クリスちゃんを狙ったな?……いいぜ、手加減は抜きだ」
好戦的な笑みを浮かべ、首元に下げていたペンダントをかざすクリスちゃん。
僕も眼鏡を外すと、トランクをプロテクターへと展開させ、左腕に嵌めたブレスレットに触れる。
「──Killter Ichaival tron──」
「転調ッ!コード・アキレウスッ!」
瞬きの間に、赤き閃光に包まれたクリスの体を、櫟の弓の装束が包み込む。
俺の無骨なプロテクターも形状が変わり、エネルギーが通ったインナーに色彩が走る。
闇夜を引き裂く
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