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温もりを知った犬達
第一章

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                温もりを知った犬達
 マルセラ=ゴールドバーグはメキシコのある街で動物保護活動をしている、ブロンドで優しい顔立ちので青い目を持つ三十代の女性だ。
 その彼女が通報を受けてその場に着くともう人だかりが出来ていた、それで同僚が言った。
「通報ではベンチにいるそうなので」
「そのベンチがあそこですね」
「そうですね、それじゃあ」
「はい、今からですね」
「あそこに行って」
 人だかりの中にというのだ。
「そうしてです」
「犬を保護そましょう」
「そうしましょう」
 こう話してだ、マルセラは同僚と共にだった。
 人だかりを潜り抜けてその向こうにあるベンチに行くと。
「ウ〜〜〜」
「この子ですね」
「間違いないですね」 
 そこには白い毛で折れた耳がちゃいろになっている大型犬がいた、犬は怯えている感じで唸っていた。
 その犬を見て同僚はマルセラに言った。
「様子がおかしいですね」
「ええ、怯えている感じで」 
 マルセラもその犬を見て話した。
「それで」
「かえって攻撃的になっていますね」
「人間を怖がっていますね」
「ベンチに鎖でつながれていますし」
「只の捨て犬じゃないですね」
「ええ、しかも」
 犬をよく見るとだった。
 その傍、ベンチの上に手紙があった。マルセラはその手紙を見て同僚に話した。
「まずは」
「あの手紙を取ってですね」
「そうしてですね」
「そのうえで見ましょう」
「手紙を」
「そうしましょう」 
 こう二人で話してだった。
 そのうえで用心して噛まれても大丈夫な様に防護用の手袋をしてから犬に近寄ってそうして手紙を読むと。
「これは」
「家族に虐待されていたんですか」
「雄で名前はマックス」
「生後七ヶ月ですか」
「それで家族の人が見るに見かねてですか」
「ここに置いたんですか」
「事情はわかりました」
 マルセラは手紙を読み終えてから同僚に言った。
「それならです」
「はい、これからですね」
「この子を保護しましょう」
「まずは鎖を切って」
「そうして施設に連れて帰りましょう」
「そうしましょう」
 二人で話してだった。
 犬の鎖を切ってそうしてリードを付けた、その間も犬は怯えきっていて噛みそうだったが二人が穏やかなのを見てだった。
 落ち着いた、そうしてだった。
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