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ソードアート・オンライン〜アインクラッド・アクセル〜
アインクラッド
〜剣の世界〜 2
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 「ぅおっ!?」
 「きゃっ!?」
 自身を大きく包み込む青白い光の存在に気づきつつも、己が持てる最大の力で振り切った剣撃をとめることは出来ず、そのまま相対していた対戦者を切り伏せる必殺の一撃。
 だがその一撃が届く事はなく、目に見えぬ障壁に阻まれシステムエフェクトを撒き散らした。・・・と同時に、彼自身も相手の一撃を完璧にもらい、だがしかし、これも不可視の障壁に阻まれ、エフェクトと同時に大きくノックバックされた。
 その衝撃も相まって混濁する意識を、頭を振り何とか覚醒させ辺りを見回すレンヤ。真っ先に目に入ったのは、当然、つい今しがたまでデュエルをしていた相手―――金髪碧眼が印象的なプレイヤーのユーリー。
 「くっ・・・レンヤ・・大丈夫か・・・・・・?」
 互いの剣が障壁に阻まれた際の衝撃か、レンヤ同様、混濁する意識を覚ますために一度大きく頭を振るユーリーは、そのまま視界に飛び込んできた光景に目を見開く。
 「・・・《はじまりの街》? それに、これは・・・・・・」
 特徴的なその碧眼に飛び込んできたのは、レンヤが今日のログイン直後に嫌というほど眺め続けた景色―――《アインクラッド》第一層主街区《はじまりの街》の中央広場の景色。
 次いで、ぎっしりとひしめく人波に目を奪われる。それらは色とりどりの装備と髪型の、いずれも眉目秀麗な男女の群れだった。おそらくNPCなどではなく、自分達と同じ現在ログイン中のプレイヤーだろう。その全てのプレイヤーが、一様に混乱している表情を見ても一目瞭然だ。
 さらに驚愕することに、中央広場の至る所で青白い発光が立て続けに起こり、そこからさらなるプレイヤーの波が押し寄せてきた。その者たちも一様に、事態を全く飲み込めていない混乱しきった表情を浮かべている。
 「強制転移? でも、なんで・・・・・・?」
 ようやく、今この場にいる理由に思い至ったユーリーがそう口にするのとほぼ同時に、最後の発光が収まり、気づけば辺りには異常な数のプレイヤーが姿を現していた。その数はおそらく、今日ログインしているであろう全員、即ち一万人に及んでいるはずだ。
 「・・・わからない。でもまぁ、これだけのプレイヤーが一同に会するのもなんだか壮観だな」
 などと、少々緊張感のない返事をするレンヤの耳に、ある不吉なワードが飛び込んできた。

 「―――・・これでログアウトできるのか?」

 ―――ログアウト
 それは彼らが、この仮想世界から現実世界へ帰還するための唯一の手段。《ナーヴギア》が脳から肉体に向けてのあらゆる信号を遮断し、この仮想世界に存在する身体へと流すため、現実の身体は指一本動かすことは出来ず、《ナーヴギア》を脱ぎとるなどの強制的ログアウトが本人の意思では不可能であり、《ログアウト》のためには、メニューの《ログアウト》
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