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アインクラッド
〜剣の世界〜 2
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現実の自分と変わらないであろうと、レンヤはぼんやりと考え、そしてある可能性に気づいた。
レンヤと同じ可能性に辿り着いたユーリーは、慌てて今一度、いまだ手の中にある鏡に目をやった。
そこに映るのは、βテスト時代愛用し、もう一人の自分であると信じていた金髪碧眼の勇者ではなく―――レンヤの目に映っていた女性。同じ部活の友達から“綺麗”と賞されていた自慢の金髪と、大好きな母と同じ碧眼の、現実世界のユーリーそのものであった。
・・・であるならば、隣の男性はつまり・・・・・・。
「君が、ユーリー?」「あんたが、レンヤ!?」
隣の男性も同じ結論に達したのだろう、互いを呼ぶ声が見事に重なる。そしてそれこそが、互いの言葉の肯定となった。共に、現実の容姿そのものになったということの。
あまりの驚愕の事実に、手の中のアイテムを落としてしまったが、二人ともそのような事は意にとめず辺りを見回した。
彼らが現実の容姿を取り戻したのなら、他のプレイヤー達も同様だろう。そしてその推察どおり、あれほどいた眉目秀麗なプレイヤーは、リアルな若者の集団へと摩り替わっていた。“戻っていた”と表現したほうが正しいのだろう。ついでに、更に衝撃的なことに男女比すら変わっていた。もちろん、圧倒的に男の方が増えている。
これだけであるなら、二流、三流の喜劇だったかもしれないが、事態はそれほど楽観的なものではない。
あくまでゲームであり、その肉体も所詮はポリゴンデーター。細部にはやはりどこかい違和感を感じてしまうが、それも些細な違い。現実の自分の身体とほぼ変わらぬものだ。
これほどの再現度ならば、この世界が、彼らにとってもう一つの現実である証明たりえるし、そのための処置なのだろう事は理解できる。
しかし、それこそ立体スキャンをかけなければ到底ありえないであろう完璧な肉体の構築を如何様にして、これほどの再現度で用意できるというのか? さすがのレンヤも、その原理については考えが及ばない。
「・・・《ナーヴギア》は、ヘッドギア型・・・・・・高密度の信号素子で顔を完全に覆っているから、それを使えば顔を精細に把握することなんて、わけないよ」
レンヤの中に生まれた疑問を察したのだろう。勇者から美少女となったユーリーがそのからくりを紐解いていく。
「・・・なら、体格は?」
・・・ユーリーが、完全に“女性”であると判明できた要因は、その金髪碧眼以上に印象的な、街行く人々が思わず見惚れ、あるいは振り返るであろう美貌と、劣情的ではあるが、彼女の歳相応以上に発育している女性的な“身体のライン”だ。変貌前(厳密な言い方をすれば変貌後なのだが)のユーリーは、些か線が細いながらも確かな男性らしさを持った、正しく勇者のような風体だった。対するは、ひどく扇情的な女性の肉体。これらが線
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