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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
一晩明けて……
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授業が終わったのも束の間、いつの間に来たのかオルコットさんが一夏さんの目の前で仁王立ちしていました。

「クラス代表の決定戦! 私とあなたでは勝負は見えていますけど、流石に私が専用機、あなたが訓練機ではフェアではありませんものね!」

「もう勝った気でいるんですね」

「当たり前ですわ! あなたも代表候補生で専用機持ちといいますが、私があなたごときに負けるはずがありませんもの!」

 とことん人を挑発するのが好きな人です。

「そんなの分からないじゃないか。カルラが勝つ可能性もある」

「それこそありえませんわ。期待するだけはしてもいいかもしれませんけど無駄になりますわよ?」

 この良く分からない自信は一体どこから出てくるんでしょう?
 まあどの道結果が全てです。両親からも教えられましたが正式な場以外での乱闘騒ぎは先に手を出したほうの負け。なら本番で見返してあげればいいだけです。

「そもそも同じ候補生としても『格』というものがありますもの。カストさんと私では勝負になるかどうか。せめていい試合だったと言わせてくださればいい方でしょうか?」

「そのセリフ、そっくりそのままお返ししますよ。私の実力を知りもしないのにそんな大口叩いて、後悔するのはそちらというのを分からせてあげますよ」

「ふふ、覚えておきますわ」

「候補生ってそんなに違うもんなのか? 箒」

 私とオルコットさんが静かな火花を散らしているその横で一夏さんが近くに来ていた箒さんにそう聞いていました。そこは少し空気を読んで黙っていてほしかったです。そしてどうして篠ノ之さんに話を振るんでしょう? 確かに男の一夏さんよりは詳しいと思いますけど。

「私に振るな」

「そういえばあなた、あの篠ノ之博士の妹だそうですわね?」

 その言葉にオルコットさんは今気付いたという風に篠ノ之さんの方を向いて言いました。

「妹というだけだ。それ以外の何者でもない」

 オルコットさんがそのことについて言うと篠ノ之さんが凄みのある声で答えます。
 珍しい苗字ですし、まさかと思っていましたけど……

 でも篠ノ之さんは篠ノ之さんなりに天才の妹、ということで苦労してきたんでしょう。
 その顔は「その話をするな!」と言っています。

「ま、まあ? どっちにしてもクラス代表はこの私以外はありえないのですけど?」

 気迫に押されて最初キョドりましたね。

「相変わらず口が回るようだが、いつまで教壇の前で仁王立ちしているつもりだ馬鹿者が」

バシィ!

「痛っ!」

 いつの間に教室に来ていたのか、織斑先生の出席簿がオルコットさんの頭に振り下ろされました。

「うう……ま、まだチャイムは鳴って……!」

 キーンコー
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