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5月連休の最後の日 絢に誘われて、海辺に来ていた。市内から電車で1時間程のところ。小さな海浜公園になっているみたいだけど、砂浜以外は何にも無い。何故、こんなところに絢は行きたいと言ったのかな。
入口の駐車場には、黒いワンボックスが1台停まっているきりだった。防波堤を下りて行くと、砂浜に青い海が果てしなく広がっていた。小さなテントと、側に座っている大きな麦わら帽子の女の人が見えた。その向こうの波打ち際では、小さな女の子と男の子を遊ばしている若そうなパパらしき人が居た。浜には、その家族だけで、他には人の姿が見えない。子供達の声だけが聞こえてくる。
絢はサロペットのミニのワンピースで、白いジーン生地から伸びている脚も、透き通るように白かつた。麦わら帽に長めのソックス、スニーカーなんだけども、陽ざしも強いので
「陽ざし、大丈夫か 木陰もないぞ」と、僕は絢に気遣った
「うん 日焼け止め塗ってきたし 大丈夫だと思う それに、曇っていると困るんだぁ あの辺に行って座ろー」と、僕を引っ張って行って、シートを広げた。
ラップにくるんだ海苔を取り出して、白いおにぎりを包んで、差し出しながら
「ごめんね ウチ 三角に握られへんね」と、それは丸かった
「そんなん 丸でも三角でも、一緒やん この卵巻き、少し甘くて 僕は絢の作るコレ好きなんや」
「そーなん ウチなぁ いつも、甘すぎるかなって、思ってたんや 良かった」
「おにぎりだって、いつも、おいしいと思うよ 全部、おいしい まずいって思ったこともないよ この味付き肉の網焼きなんかサイコー」
絢がフリスビーも持ってきたというので、二人で遊んだりして、暑いからって、近くにあった喫茶店で休むことにした。もう、太陽がオレンジ色になりかけていた。
絢が着替えると言ってトイレに行き、出てきたときには、白いフレァーなワンピースに変わっていた。結んでいた髪の毛も留めていなかった。戸惑う僕を連れて、再び、砂浜に戻っていった。もう、あの家族連れも居なかった。
浜辺に着くと、絢は帽子を僕に持っててと言って、靴を脱いだかと思うと
「誰もおれへんな、よしっ モト君はそこで見ててね」と、波打ち際に走って行った。
沈んでいく夕陽を背に、絢は舞うように色んなポーズを取って見せていた。僕には、絢の肢体がシルエットとなって、きれいに見えていた。長い髪の毛も風になびいて美しい。最後に、あのポスターと同じポーズで飛び跳ねるようにして見せてから、走って戻ってきて
「ちゃんと見ていてくれた? 恥ずかしいんだからね」と、夕陽に照らされてか、顔がすごく光っていた。
「海の方見ててな こっち見やんとってな」と防波堤の際に行って、着替え始めた。戻ってきたときは、又、来た時の
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