無間アスタリスク
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「し、しみるぅ!!」
「傷口の消毒はしたが、もうしばらく安静にしろ。アイツの魔力弾を喰らったのだから、骨にヒビが入ってる可能性もある」
「うへぇ、ヒビ入ってたらヤダなぁ。まぁ足が折れなかっただけでも運が良かったって思っとこ」
「ああ、こんな状況で折れたら大変――――」
刹那、会話を急に止めたティモシーは鬼気迫る顔でシャンテへ一気に迫る。突然大の大人が迫ってきたことに本能的な恐怖を抱いたシャンテだが、次の瞬間、その認識は覆った。
ガシィッ!!
「やらせるかぁ!!!」
「お、おっさん!?」
シャンテの影から突然出てきたリトルクイーンが背中から斬り伏せようとした所を、ティモシーが彼女の手を抑えて寸での所で止めた。リトルクイーンのヴァンパイアとしての力に対し、ティモシーはただひたすら鍛え上げた筋肉だけで抗っており、リトルクイーンは目の前にいるただの一般兵の執念に驚愕する。
「ちっ、ただの人間に防がれるなんて予想外だよ……!」
「な、なぜお前がここにいる、リトルクイーン!」
一方、まさかの怨敵の出現に、シャンテは驚きで声が裏返っていた。彼女はティモシーのおかげで命を救われたのだと理解したが、同時になぜリトルクイーンがこの場所に現れたのかわからずにいた。
だがその問いかけにリトルクイーンはニヤリと笑うだけで何も答えず、もう一人連れてきた仲間―――カリムへ目の前の男を斬るよう命令する。退かねば自分が斬られるが、退けばシャンテが斬られる。その選択を迫られたティモシーは迷うことなくリトルクイーンの前に立ち塞がり続け、カリムは刃こぼれしたブロードソードを振りかぶり―――
ガキンッ!
「ッ……?」
彼の隣から伸びてきた民主刀に遮られた。
「指揮官!?」
「間一髪……だね!」
返す刀でシャロンがリトルクイーンの方にも横振りを放つ。咄嗟にティモシーの掴みを振り払ったリトルクイーンが刀で防御、鍔迫り合いになる。
「ふふふ……! 会いたかったよ、シャロン・クレケンスルーナ! 今度こそあなたの血肉、全てを頂いていく!」
「断る、あなたには血の一滴も奪わせない! 私のも、ここの人達のも!」
「言うねぇ。でもあなた一人で何が出来るの? ケイオスがいなければとっくに死んでたくせに! 自分の身を守るだけでも精一杯なのに、他者も守るなんて不可能だよ!」
直後、リトルクイーンは自分の影を広げ始める。“ライフドレイン”……聖王教会にいた人を皆殺しにした能力。このままではシェルターも同じ悲劇が起きてしまう……そのはずだった。
「ここをトロイアにはさせない!」
チンクがナイフでカリムのブロードソードをガードするのを背に、シャロンは“天よりふり注ぐもの”を発
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