無間アスタリスク
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もこれ、エリオにあげたヴェンデッタとよく似ているけど、実は同じ誰かさんが作ったの?」
「教えても良いが、それを知る必要はあるか?」
「ん〜無いね。知った所で関係無いし、武器なんてちゃんと使えれば何でもいいもの。あ、でも信頼性については気になるかな」
「安心しろ、製作者の腕なら何も問題ない。第一、オレが息子へ信頼性が無い贈り物を用意すると思うか?」
「思わないね。でもそんな公爵が贈るってことは、私に期待してくれてるって解釈しちゃってもいいんだね? 本物の高町なのはや改名したクローンじゃなくて、この私だけを見ているって」
「期待していること自体は間違いではない。エリオには負けるがな」
「親子びいきだね。でも……そう、本当に期待してくれてるんだ。ふふふ……」
「……」
「ところでエリオは予定通り下へ?」
「ああ……ベルカの大地に行ってもらった。もう少しすれば管理局地上本部は過去に蓋をしたはずの脅威に襲われることになる。地上本部の直下にある極秘の研究施設。レジアス中将とその関係者しか存在を知らされていない管理局の暗部。そして、プロジェクト・コスモスが推し進められている場所」
「管理局は地上も本局も関係なくいつもそういうことやるよね。ところでさ、公爵もエリオもこっちに来てるなら、ギジタイには今誰もいないんじゃないの? 流石に守りが手薄過ぎない?」
「問題ない、手は打っている」
「そうなの? 公爵ってほんと用意周到だね。一体どこまで先の事を考えているのか、私には想像も出来ないよ」
「ふっ、お前は先の事を考える必要は無い。今を愉しんでいればそれで良い」
「判断を下すのは王であって、考えるのは軍師の役目ってことだね。それなら存分に頼らせてもらうよ」
「構わんさ、意見を他人に委ねるのは楽だからな。……さて、おしゃべりここまでにして、そろそろ動くとしようか」
「は〜い。それじゃ、行ってきま〜す」
笑顔で手を振るリトルクイーンはカリムを回収するのと共に自らの影に姿を沈めていき、やがてその場から消え去った。だが、二人の姿が沈み切ったその瞬間だけ、公爵はリトルクイーンに感情の無い目を向けた。
「(悪いな、リトルクイーン。期待していることは嘘ではない。だが期待の意味は二つあってな。“成功を期待する”か、“失敗を期待する”か、だ。偽りの人格に、偽りのモナド、そして偽りのクイーン。肉体は本物でも他が全て偽物では、小規模な現象しか確認できん。だがそれで良い……次の作戦、彼女が失敗することで、俺の計画は次の段階に進められる)」
同時刻
アウターヘブン社FOB 医務室
普段はシオンの本来の仕事場であるその部屋にて、椅子に座ったシャンテに治療を施すティモシーの姿があった
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