無間アスタリスク
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ち上げて聖王像の錫杖の上から落とし、フックに引っ掛けるようにして無力化したのだ。傍から見るとマヌケな光景だが、エナジー無しの人間にとっては最善の攻略法であった。
外で色々あった後、戻ってきたリトルクイーンはこの滑稽な光景にたまらず笑ってしまう程で、次の作戦が始まるまでそのままにしていた。
「ん、何さ。言いたいことがあるならハッキリ言いなよ、カリムさん? って……やっぱ無理か。意識は闇に溶けちゃってるし、今更呼び掛けたりオメガソルを入れたりした所で、もうどうしようもない所まで変異が進んだ。でもねぇ、魔導師がヒトの姿を保ったまま死ねるのは幸運なんだよ?」
「……」
「ふふふ……はぁ、つまんないなぁ」
ぼやくなり唐突にリトルクイーンは血錆びの付いた共和刀を自らの影の中に突き刺す。普通なら床に傷がつき、刀にホコリなどが付着するはずなのだが、実際には床に傷はついておらず、刀には真新しい血が付いていた。
「せっかく駒を作ってたのに、それを台無しにしたんだもの。大事な妹に同じことをされたくなかったらそこで頑張って生きてね、お兄ちゃん?」
影に向け、蠱惑的に怪しく目を赤く光らせるリトルクイーン。だがそんな彼女の様子も関係ないと言わんばかりに、何者かが暗黒転移してきた。
「ほう、リトルクイーンは生きたサンドバッグを所望だったのか?」
「公爵? え、なんで……あと、サンドバッグは斬っても叩いても面白くないからいらない。そもそも私は拳で語り合うタイプじゃないし」
「だろうな」
「そんなことより、なんでこんな所に来てるの? 潜入してる部隊はどうしたの?」
「部隊の方は問題ない、既に種は植え付けた。それでこれから水撒きだったのだが、少し予定が変わってな。ミッドにいたポリドリが両方倒された」
「あれま、あんな大口叩く割に全然大した事ないんだね、あのイモータル。保険もまとめて倒されるなんて」
「分身体なら致し方ない。ともかく、だ。元々ポリドリがやる予定だった作戦は、代わりにお前にやってもらう。行けるか?」
「誰に向かって言ってるのかな? 私は高町なのはであり、いずれクイーンとなる者。ポリドリだけ行くのはつまらないと思って、もう手は打ってるんだよ」
「ほう……転移のビーコンを仕込んだな? ま、やる気があるなら何でもいい。ではそんなお前にオレから餞別をくれてやる」
「餞別?」
首を傾げるリトルクイーンに向かって、デュマが奇妙な形状の黒い剣を投げ渡す。両手で受け取ったリトルクイーンは、視線でこの剣が何なのか尋ねる。
「それはモナドだ」
「モナド?」
「説明は難しいが、何かと応用できる剣だ。その刀が折れた時にでも使うといい」
「ああ、スペア用に使えってことね。にして
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