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リリなのinボクらの太陽サーガ
無間アスタリスク
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「槍を持った仏頂面の大男とのことだ」

「槍? まさかと思うけど……ゼスト・グランガイツ?」

「十中八九、俺もそいつだと思う。で、どうする指揮官? そいつが指揮官にやらかした事は俺達も知っているから、見捨てるのも仕方ないと思うが……」

「…………。気が乗らないけど救助しよう、でも武装解除と拘束はしておいて」

「そうか……そういうことなら指揮官、俺はあんたの意思を全力で汲もう」

「ありがとう。その子の事、頼むよ」

「了解だ。シャンテを医務室で治療してから、救助に向かう」

敬礼した後、彼はのっしのっしとシャンテをまた肩車して歩いていく。あと遅くなったが、ようやく彼の名前を思い出せた。……ティモシー・アピニオンだ。

「チンクもごめんね。彼はあなたの目を傷つけた人なのに、勝手に救助を指示しちゃって」

「別に文句は無いさ。私よりもむしろシャロンの方が心配だ。管理局の命令とはいえ、シャロンを裏切った奴を匿って大丈夫なのか」

「……正直、苦手意識も嫌悪感もある。命だけは助けるけど、それ以上は不干渉でいたい。だからゼストを私に近づけないで欲しい」

「わかった、ガードマンの役目は私に任せろ」

「お願い」

正直、彼をここに入れるのは凄く抵抗があるが、無為に死者を増やすよりはマシだし、彼から何らかの情報を得られる可能性もあると、無理やり自分を納得させている。

ところで……ゼストが負傷したのはリトルクイーンの仕業なのは間違いないが、シャンテの怪我が右足だけで済んだのは運が良かった……だけで済むはずがない!

「シャロン!? 急に走ってどうした!?」

「マズい、トロイの木馬を引き入れた!」

「……なるほど、そういうことかッ!」

感覚を鋭敏化すれば、わずかに暗黒物質の残滓があった。アイツ、まさかそういう手を打ってくるとは、ホント息つかせる暇もないな!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


第1管理世界ミッドチルダ 北部
聖王教会 礼拝堂

少しだけ時間をさかのぼる。

「……暇だなぁ」

木製の長椅子に腰掛けながら、リトルクイーンはぐいっと背を伸ばして独り言ちる。昨日の戦いで教会を占拠して以降、他に敵がやってくるようなことが無かったため、手持ち無沙汰となって暇を持て余していた。

「しっかし何度見ても笑えるよ。まさか、こんなやり方で無力化させるなんてね。元頭脳派に現最強騎士の相手は荷が重すぎたのかな?」

「……」

リトルクイーンが見上げるのは、中央にある聖王像の錫杖から吊るされて降りられなくなっているカリムだった。今の彼女にエナジー無しの攻撃は無効化されるため、ゼストは彼女のシスター服の襟元を狙って突貫、服ごと彼女を持
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