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渦巻く滄海 紅き空 【下】
四十九 トロイの木馬
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尾の一振りで火の海を蒸発させ、もう片方の龍がシカマル達へ迫る炎を断ち切る。
火の海が瞬く間に水蒸気へ変わる中、ふたりの人影がぼうっと浮かび上がった。



「ったく。相変わらずの猿真似ヤローが。俺と同じ術を同時に使いやがって…」
「この場合、仕方ないでしょーよ。火を消すには水って相場は決まってるでしょ」



二頭の水龍が火の海を掻き消し、更に能面の化け物を呑み込んだ。
火遁を使ったばかりの能面の化け物が龍に呑まれて、絶叫を上げながら崩れ落ちる。

速攻で倒れ伏せた能面の化け物。
水の龍で仕留めた両者が、角都と飛段の前へ立ち塞がった。



「勝手に弔い合戦し始めたガキの尻拭いさせられるとは、てめぇも大変だな」
「そうでもないさ。俺よりもずっと優秀な忍び達だよ。彼らの意志を尊重するのも俺らの役割でしょ」
「抜け忍の俺を一緒にするんじゃねぇよ、猿真似ヤロー」



かつて波の国にて、再不斬の術を写輪眼でコピーしたカカシが手を掲げる。
バチバチ、と千鳥が鳴き、雷が集う手を横目に、桃地再不斬はハッ、と鼻で嗤った。

首元のチョーカーを鬱陶しげにしながら、首切り包丁の切っ先を角都と飛段に向ける。





「てめぇと共闘だなんて、ぞっとしない話だな──写輪眼のカカシ」
「俺もお前と肩を並べる日が来るなんて思ってもみなかったよ──霧隠れの鬼人」






はたけカカシと桃地再不斬。
因縁の相手が背中合わせで、今、此処に手を組んだ。

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