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渦巻く滄海 紅き空 【下】
四十九 トロイの木馬
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俺にはどんな物理攻撃も通じない。さて、どうする?」



土遁と水遁、二つのチャクラ性質を持っている可能性のある仇敵を、シカマルは油断なく見据える。


(【心転身の術】で飛段を此方の駒にできているが…いの自身が見つかればアウトだ)


術者であるいのは、【心転身の術】発動中は無防備になる。
いのの身体が角都に見つかる前に、戦闘を終わらせなければならない。

普段なら、彼女の身体を誰かが見ておかねばならないが、現状、戦力が足らない今、そうもいかない。
チョウジがこの場に出てきた以上、速攻でケリをつけねばならない。


だが、そう簡単に事は進まなかった。


「では、そろそろ反撃させてもらうとしよう」




角都の背中が盛り上がる。
邪魔な衣服を脱ぎ捨てると、四つのお面が垣間見えた。黒地に赤い雲の衣が空を舞う。

ボコり、と面が脈打ったかと思うと、角都の背中がボコボコと蠢き始めた。


禁術である【地怨虞】。
他者の心臓を経絡系ごと取り込むことで、五つ全ての性質変化を扱うことが可能の術だ。

角都の体から分離させることができる心臓は、能面のついた化け物のような形となって、シカマルとチョウジの前に立ちはだかる。


「やっぱりか…その面がなんか怪しいと思ったんだよな」
「ほう?やはりお前は木ノ葉の忍びの中でもずば抜けて分析力が高いな。では冥土の土産に、俺の力を披露してやろう」


再不斬と角都の戦闘。
【水牢の術】を破った角都の背中へ、再不斬は不意打ちに近い形で首切り包丁を振るった。
その時に垣間見えた角都の背中の四つのお面を、シカマルは見逃さなかったのだ。

もっとも、それこそが再不斬の狙い。
いや、再不斬ではなく、再不斬に命じていたナルトの目的。

あえて服のみを切り裂くことで、シカマルに角都の能力のヒントを与えるように再不斬に仕向けさせていたナルトの本意を知らぬまま、シカマルは彼の思惑通り分析し続けた。


角都の背後に四体の化け物が聳え立つ。
その内の一体に向かって、飛段が三刃の鎌を振り上げた。

「だが、まずは馬鹿の眼を覚まさせるところからか…」


いのの術により乗っ取られている飛段に向かって、化け物の一体が飛び掛かる。
能面がぱかりと口を開いた。嫌な予感がしたシカマルが叫ぶ。


「いの!術を解け!」
「【風遁・圧害】!」



圧縮した竜巻が放たれる。
ひゅっと息を呑んだいのが即座に術を解除した。

【心転身の術】は術使用中、術者の体が無防備になってしまう上、精神を乗っ取った相手へのダメージはそのまま術者本体にも反映されてしまうのである。

すぐさま解除したとは言え、若干ダメージを受け、精神が戻ってもいの
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