暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
"Vitalization"
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
たち、一人一人だよ! 皆が、この世界を救うんだッ!」



「だから、皆!」



「お願い、聞かせて! 私はすぐそば(ここ)にいるから! 溢れたままの感情を隠さないで!」



「それぞれが惹かれ合う音色に、理由なんていらない!」

 響は腕をぎゅっと握った。

「だから、この歌は、私の歌じゃない! 皆の……皆で紡ぐ唱だよ!」

 そして。
 歌えない響の代わりにと、人々は祈った。
 そしてそれは。

「皆で紡ぎ合うこれこそが、絶唱だああああああああ!」

 ムー大陸の上で、歌となる。



___Balwisyall nescell gungnir tron___



 響が動かしているのは口だけ。その詠唱を、未来はただ見守っていた。
 世界中の人々が、響の声となる。
 それは、彼女のガングニールを呼び起こし、その体を包み込む。
 黄色をメインにした、響のシンフォギア。見ているだけで、未来の心が安らぐ。
 さらに、人々の祈りは続く。
 ムー大陸に流れてくる祈りの光は、とどまるところを知らない。響のシンフォギアの光は黄から白へと変わっていく。
 すでに体も限界を超えているのに、負担のなくエクスドライブの再起動。純白のボディとなった響は、静かに未来へ振り替える。

「未来。行こう」
「……」

 未来が、大好きな人の笑顔。未来がその手を握り返すのに、時間はかからなかった。

「行くよ。未来」
「うん」

 未来が響の手を握ると同時に、響は未来を抱き寄せる。左手に抱えられた未来は、響が右手を突き上げるのを間近で見上げていた。
 響の腕が、どんどん変形していく。シンフォギアという装備が織り成す機構は、やがて響の腕を巨大なドリルにして見せた。

「未来。私と、未来とで」
「うん」

 未来は、響の腕をぎゅっと握った。響は強く頷き、祭壇からジャンプ。

「最速で、最短で、真っ直ぐに! 一直線にッ!」

 ドリルが唸り声を上げながら、ムー大陸の祭壇より掘り進んでいく。それは、やがてムーの中心まで突き抜け、未来の前に、ムー大陸の核部分が現れる。

「あれが……ムー大陸のコア……ッ!」

 それは、巨大な赤い球体だった。ムー大陸の動力炉に浮かぶ太陽のようなそれは、ブラジラによる影響か、幾度も発光を繰り返し、まさに暴走しているようだった。

「あれを壊せば、全てが終わる!」

 響のドリルが、また変形音を奏でる。ドリルという、人が進む手段としての役割を終えたガングニールは、巨大な拳となり、腕の動きと呼応して固める。

「この世界は、壊れない! 絶対にッ!」

 その時、響の拳に、歌が流れてくる。
 世界中の人々の祈りが、響のシンフ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ