SAO編ーアインクラッド編ー
06.赤と幻惑
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は帽子を被る、紳士風の男..........グリムロックだ。
「詳しいことは本人に直接聞いた方が早い」
「やぁ、久しぶりだねみんな」
「.......グリムロックさん。.....あなたは......あなたは本当に」
何もしゃべらないグリムロック。
「何でなの、グリムロック!?何でグリセルダさんを!?何で奥さんを殺してまで指輪を奪ってお金に変える必要があったの!?」
ヨルコさんが泣きながらグリムロックに問う。
「......ふっ!......金」
小さい声でグリムロックが話し出す。
「金だって......ふふふふふ......金のためではない。私は、私はどうしても彼女を殺さねばならなかった。彼女がまだ、私の妻でいる間に!彼女は現実世界でも私の妻だった」
皆が驚く。
「一切の不満もない理想的な妻だった。可愛らしく従順でただ一度の夫婦喧嘩もしたことがなかった。だが、この世界に共に囚われたのち、彼女は変わってしまった。強要されたデスゲームに恐れ竦んだのは私のだけだった。彼女は現実世界にいた時よりはるかのイキイキとして充実した様子で、私は認めざるおえなかった。私の愛したユウコは消えてしまったのだと、ならば!ならばいっそ合法的な殺人が可能なこの世界にいる間にユウコを永遠の思い出の中に封じてしまいたいと願った私を誰が責められるだろう」
「そんな理由であんたは奥さんを殺したのか」
「いかれてやがる」
「十分すぎる理由だ。君らにもいずれわかるよ探偵くん。愛情を手に入れ、それが失われようとした時にはね」
(何だこいつはいかれすぎてる)
「いいえ、おかしいのはあなたよ、グリムロックさん」
アスナがグリムロックの背後から歩いてくる。
「あなたがグリセルダさんに抱いていたのは、愛情じゃない。あなたが抱いていたのはただの所有欲だわ!」
アスナの言葉にグリムロックは膝から崩れ落ちる。すると、シュミットとカインズが立ち上がり、グリムロックの横につく。
「キリトさん、シュウさん、この処遇は私たちに任せてくださいませんか」
「わかった」
「了解」
ヨルコさんが立ち去りざまこちらに一礼してグリムロックたちの元へ。
夜が明け、朝日が俺たちを照らす。
圏内事件、悲し結末で終わった事件だったな。
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