暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜
SAO編ーアインクラッド編ー
06.赤と幻惑
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べぇ!!」

すると、一人の中年プレーヤーが俺に話しかけてくる。

「おう、ついにこのベンチも壊れてしまったか」

「すみません。壊したの俺なんです」

「まぁ、君が壊さなくても、もうそろそろ耐久値が0になりかけていたので別にいいんじゃないんですか」

中年プレーヤーは笑いながらそう言い、再び歩いていく。

「耐久値がね.........耐久値!」

耐久値......それが俺の中の足りなかったパズルのピースとなり、続けて他のパズルもどんどんはまっていき、圏内事件というパズルが完成した。

「.......わかった。なるほど、そういうことか」

(となると、ヨルコさんたちが危ない!!)




第十九層・十字の丘

何故、こんな状況に......
何故奴らがここにいるんだ。

ヨルコ、カインズとの話を終えた瞬間、奴らは姿を現した。しかも、俺は麻痺して体が動かない。毒のダガー使い、ジョニー・ブラックの仕業だ。

「ワーン、ダウーン」

「まさかこいつら!?」

「確かにこいつはデッカい獲物だ聖竜連合の幹部様じゃないか」

俺たちの前に現れたのは、殺人ギルド《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》。しかも、四人も。

毒ダガー使いの、ジョニー・ブラック。ヨルコとカインズに針剣(エストック)を向ける針剣使い、赤目のザザ。武器も出さず、ただ立ち尽くす、虚言のライア。そして.......血のように赤黒い刃を持つ肉厚の大型ダガー使い、殺人ギルド《笑う棺桶》のリーダー、PoH。

「さて、どうやって遊んだもんかね」

「あれ、あれやろうよ、ヘッド!殺し合って、残ったやつだけ助けてやろうゲーム!」

「んなこと言って、お前結局のこないだ残った一人も殺したじゃないか」

「あぁ〜、今それ言っちゃゲームにならないっすよ」

こいつらは何でそんなことを平気で言えるんだ。

「さて、取り掛かるとするか」

PoHが一歩一歩俺に近づいてくる。

(俺はここで死ぬ)

PoHは躊躇なく、大型ダガーを振り上げる。死を覚悟した瞬間、鉄と鉄がぶつかり合う音がした。

恐る恐る目を開けてみると、俺の前に槍を持つ、黒衣のコートを身に纏う少年が現れる。

「どうやら、間に合ったみたいだな」




PoHが後ろにひく。

「何故貴様がここにいる。《槍剣使い》」

「そのセリフそっくりそのまま返してやるよ。殺人ギルド《ラフィン・コフィン》リーダー、PoH!」

「だが、貴様一人来たところで戦況が変わることはない」

「一人じゃないぜ」

後方から男の声と馬が疾走する音が聞こえる。

「いて!ギリギリセーフだな」

救援に現れる、黒の剣士、キリト。

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