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レーヴァティン
第二百七話 冬の進軍その十一

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「もういい、それでな」
「ライン川東岸ですね」
「そちらを目指しますね」
「そうして動いて行きますね」
「ああ、ライン川の東岸まで占領したらな」
 その場合はと将帥達に話した、その将帥達の中にはミュンヘンの騎士団の者達もいて彼等にも話すのだった。
「その時はな」
「はい、それでですね」
「その場合はですね」
「王国そして連合王国からの援軍を防げる」
 騎士団と同盟を結ぶ彼等をというのだ。
「だからな」
「是非ですね」
「ライン川東岸を掌握する」
「そして援軍を遮断しますか」
「この帝国軍主力でな」
 まさにそうするというのだ。
「進むな、幸い騎士団領は平地が多くて道もいい」
「だから進軍は楽ですね」
「それもかなり」
「補給も楽です」
「帝国領に次いでいいです」
「だから進軍も速いからな」
 それでというのだ。
「このままな」
「進んでいく」
「そうしますね」
「我々は」
「ああ、次はシュツットガルトだ」
 この街だと言ってだった。
「いいな」
「承知しました」
「それではです」
「その様にしましょう」
「これより」
「そうしてな」
 久志はさらに言った。
「もう一つあるな」
「もう一つ?」
「もう一つっていいますと」
「何かありますか」
「今日も酒を出すけれどな」
 今度はそれの話をした。
「ビールは控えるか」
「その酒はですか」
「控えますか」
「そうしますか」
「そちらは」
「ああ、ワインにしようか」
 兵達に飲ませるワインはというのだ。
「最近ビールが続いてるだろ」
「はい、確かに」
「ビールが多かったですね」
「騎士団領に入ってから」
「そうでしたね」
「ここはビールの産地の一つだからな」
 騎士団領はというのだ。
「そのせいでな」
「ビールが続きましたね」
「安くてしかも質がよかったので」
「だからでしたね」
「どうしてもでしたね」
「ああ、けれどな」
 それでもというのだ。
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