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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
『唯一』との会合
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どがエリートと言える人たちでしょうね。むしろ私みたいな人のほうが特例です」

「カストさんはどっかの社長の令嬢とかそういうのなのか?」

「いえ、生まれは一般家庭でどこでもいるような普通の学校に通っていましたよ。私の場合は両親がIS開発に携わっているんですが、その関係で。なのでこれと言って特異なものがあるわけではありません。そんな私に専用機まで用意してくれるですから両親と国の人たちには本当に感謝しています」

「ふ〜ん」

 一夏さんは半分理解していて半分理解していないような顔で頷いています。
 ……この顔……専用機って分かっていませんね。

「織斑さん、教科書の6ページを読んでおくことをお勧めします」

「へ? なんでさ?」

「専用機って言葉の意味、わからなかったでしょう?」

「あ……バレた?」

「当然です」

 普通なら専用機持ちはISを使うものにとっての憧れなんです。それをあんな風に流すのですからそれはバレて当然でしょう。
 そこで話が途切れたので外の様子を見るために鍵を開けて廊下に顔を出すと、どうやら皆さん部屋に戻ったようで誰もいませんでした。

「織斑さん、もう大丈夫みたいですよ」

「そっか、本当ありがとうな。カストさん」

「いえ、織斑さんは唯一ISを使える男性ですし……皆さんの興味を引くのも仕方ないことかと」

「あ〜、そのさ、織斑さんってやめてもらえないかなあ?」

「へ?」

「ほら、千冬姉がいるだろ? そのせいか苗字で呼ばれるとなんかむず痒くってさあ」

 確かにそうかもしれません。けど……

「でもいきなり名前で呼ぶのも……」

「んー、俺は構わないんだけど……お! じゃあさ、友達なら名前で呼んでも大丈夫だよな」

「はい?」

 そんなさもいいアイディアを思いついたように言われても!

「あれ? 迷惑だったか? それなら無理にとは言わないけど……」

「いえいえいえ! そんな私なんかが……むしろもったいないって思うくらいで!」

「じゃあ俺とカルラさんは今から友達ってことで、おっけー?」

「は、はい。おっけー……です」

 そう言って一夏さんが手を差し伸べてきました。

「よろしくお願いします、おり……一夏さん」

「おう! よろしくな、カルラ!」

「カル……!」

 ま、まさかいきなり名前を呼び捨てにしてくるなんて! せめてそこは『さん』づけとかじゃないんですか……

「あれ? カルラ、顔が真っ赤だけど大丈夫か?」

「だ、大丈夫れす! また人が来る前に早く戻ったほうが!」

「あ、ああ。じゃあカルラ。明日からよろしくな」

 そう言って一夏さんは部屋に戻って行きました。
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